G子の涙
2015-12-03 | 友人
G子に誘われて大学時代の友人と会った。
会ったのはmasaちゃんとiyoちゃんである。
二人とも同じクラスだった友人である。
masaちゃんはそのまま専業主婦で二人のお子さんがいて、iyoちゃんは教員となってバリバリ働いていた。
G子は会うなり「masaちゃん!」と抱きついた。
そして、その席はG子の独壇場となった。私達3人はおもむろにG子の話を聞くことになった。
G子に会うたびに「二人で会話をしているはずが、何故かG子が一方的に話している。」と思っていたが、どうやらそうなるのは私だけではなかったようで私はホッとした。誰が相手であってもG子はこうして話し続けるのだ。
仕事のこと、サークルのこと、元夫のこと・・延々と話し続けたが、M君やT男のことは話には入っていなかった。私はぼんやり客観的にそれを眺めながら、G子の言葉ひとつひとつに、ウンウンとうなずくmasaちゃんやiyoちゃんはホントにいい友達だなァと思ったりしていた。
「へぇー、G子とsakeちゃんはしょっちゅう会ってるんだね」とmasaちゃんが昔のままおっとりと言い、G子は「そうなの、しょっちゅう会ったり電話したりしてるんだ。」と言い、しかしそこにはあの1年間口をきかなかった大喧嘩のことには触れてないので、G子なりにその内容は取捨選択しているようである。
G子の言葉は途切れるどころかヒートアップしていった。
「離婚して今は幸せなんだ。」と言うので、「でも野菜売り場でカップルを見ると寂しくなったりするんだよね。」と私がチャチャを入れると、「そうなの~~野菜は買うものだけ決めて、それめがけてカゴに入れると退散する。」と言い、「(専業主婦の)masaちゃんがうらやましい~~」と言い、でもこれから資格の勉強をするんだ、と言う話、前の職場、その前の職場、子供のこと・・・とにかく忙しいこと盛りだくさんのヒートアップであった。masaちゃんとiyoちゃんは「飲みすぎたのでは。。」「そう言えばG子は学生時代はお酒、全然飲まなかったものね」などと心配している。
居酒屋のあとにまだ別れも名残惜しく、お茶でも飲んで行こうということになったが、G子はひとり「まだ酒を飲みたい」と譲らない。
歩いている間にM君の話になったので、私がG子を横目で見ながら「クスッ」と笑うと、G子は「sakeちゃん~コラ、余計なこと言うんじゃない~。」と襲い掛かろうとする。
そのうち都会に詳しいiyoちゃんがお酒もお茶もどちらでもいけそうなおしゃれなカフェに連れて行ってくれた。そこでもG子は一人白ワインを飲む。
専業主婦のmasaちゃんは携帯メールを打ち、「今、旦那に終電の時間を調べてもらってるの」とほほえましく言う。←何となく勝ち組。
そして私とG子は同じ沿線なので帰ることにした。
G子は電車の中で泣いた。
「T男が奥さんとスーパーに行って、水菜をカゴに入れたんだって。」
「あぁ、いつかそんなこと言ってたよね。」
「それ以来、野菜売り場に行くと思い出すの。」
とG子は泣いた。
決してガラガラではない電車の中で、G子はどのように映るのだろう。
でも、私は別に驚きも恥ずかしくも何でもなかった。
そんな気持になることもあるよなぁ、とだけ思った。
G子も恥ずかしくも何ともないのだろう。
ここに居る人たちなんて、今日ここでG子が泣いていたことなんて見えてないし、たとえ見えてても電車を降りてしまえばもう忘れてしまう。
そんなこと、いちいち気にするほど暇ではないから。
そろそろG子の駅になった。ドアが開いたので、「G子の降りる駅だよ。」と言うと、G子は「まだちがうよぉ~」と言いかけたがホームを見て「あ、ホントだ」と言い、今までのテンションはサツと消え、「それじゃsakeちゃん、またね。」とケロリと電車を降りていった。
(酒に酔っていたのではなくて、自分自身に酔ってたのね・・・)私は思いながら窓からG子に手を振って別れた。。。。
会ったのはmasaちゃんとiyoちゃんである。
二人とも同じクラスだった友人である。
masaちゃんはそのまま専業主婦で二人のお子さんがいて、iyoちゃんは教員となってバリバリ働いていた。
G子は会うなり「masaちゃん!」と抱きついた。
そして、その席はG子の独壇場となった。私達3人はおもむろにG子の話を聞くことになった。
G子に会うたびに「二人で会話をしているはずが、何故かG子が一方的に話している。」と思っていたが、どうやらそうなるのは私だけではなかったようで私はホッとした。誰が相手であってもG子はこうして話し続けるのだ。
仕事のこと、サークルのこと、元夫のこと・・延々と話し続けたが、M君やT男のことは話には入っていなかった。私はぼんやり客観的にそれを眺めながら、G子の言葉ひとつひとつに、ウンウンとうなずくmasaちゃんやiyoちゃんはホントにいい友達だなァと思ったりしていた。
「へぇー、G子とsakeちゃんはしょっちゅう会ってるんだね」とmasaちゃんが昔のままおっとりと言い、G子は「そうなの、しょっちゅう会ったり電話したりしてるんだ。」と言い、しかしそこにはあの1年間口をきかなかった大喧嘩のことには触れてないので、G子なりにその内容は取捨選択しているようである。
G子の言葉は途切れるどころかヒートアップしていった。
「離婚して今は幸せなんだ。」と言うので、「でも野菜売り場でカップルを見ると寂しくなったりするんだよね。」と私がチャチャを入れると、「そうなの~~野菜は買うものだけ決めて、それめがけてカゴに入れると退散する。」と言い、「(専業主婦の)masaちゃんがうらやましい~~」と言い、でもこれから資格の勉強をするんだ、と言う話、前の職場、その前の職場、子供のこと・・・とにかく忙しいこと盛りだくさんのヒートアップであった。masaちゃんとiyoちゃんは「飲みすぎたのでは。。」「そう言えばG子は学生時代はお酒、全然飲まなかったものね」などと心配している。
居酒屋のあとにまだ別れも名残惜しく、お茶でも飲んで行こうということになったが、G子はひとり「まだ酒を飲みたい」と譲らない。
歩いている間にM君の話になったので、私がG子を横目で見ながら「クスッ」と笑うと、G子は「sakeちゃん~コラ、余計なこと言うんじゃない~。」と襲い掛かろうとする。
そのうち都会に詳しいiyoちゃんがお酒もお茶もどちらでもいけそうなおしゃれなカフェに連れて行ってくれた。そこでもG子は一人白ワインを飲む。
専業主婦のmasaちゃんは携帯メールを打ち、「今、旦那に終電の時間を調べてもらってるの」とほほえましく言う。←何となく勝ち組。
そして私とG子は同じ沿線なので帰ることにした。
G子は電車の中で泣いた。
「T男が奥さんとスーパーに行って、水菜をカゴに入れたんだって。」
「あぁ、いつかそんなこと言ってたよね。」
「それ以来、野菜売り場に行くと思い出すの。」
とG子は泣いた。
決してガラガラではない電車の中で、G子はどのように映るのだろう。
でも、私は別に驚きも恥ずかしくも何でもなかった。
そんな気持になることもあるよなぁ、とだけ思った。
G子も恥ずかしくも何ともないのだろう。
ここに居る人たちなんて、今日ここでG子が泣いていたことなんて見えてないし、たとえ見えてても電車を降りてしまえばもう忘れてしまう。
そんなこと、いちいち気にするほど暇ではないから。
そろそろG子の駅になった。ドアが開いたので、「G子の降りる駅だよ。」と言うと、G子は「まだちがうよぉ~」と言いかけたがホームを見て「あ、ホントだ」と言い、今までのテンションはサツと消え、「それじゃsakeちゃん、またね。」とケロリと電車を降りていった。
(酒に酔っていたのではなくて、自分自身に酔ってたのね・・・)私は思いながら窓からG子に手を振って別れた。。。。