政治の世界は…
自民党の総裁選に谷垣禎一(64)が出馬表明しました。この人が腹黒かったら、人間誰も信じられなくなるほど、見るからに人が好さそうな顔をしていますし、福岡政行先生も谷垣さんを推すくらいですから、もちろん人柄・力量とも十分ですが、「党再生のため捨石になる」との発言はどうでしょうか。これも私心がないこと丸出しで、谷垣さんらしいと言えばらしいと言えるのですが、119議席まで勢力を減らしてしまった自民党立て直しの反発力としては、ちょっと弱いような気がします。
とはいえ、若手の有力候補と言われた石原伸晃は早々に不出馬を表明していますし、小泉政権下の国土交通相時代は本当にサンドバッグになっていて力強さに欠けます。河野太郎も出馬に意欲を持っているようですが、年寄りも巻き込む大きなうねりになるとは到底思えず、それ以前に若手で20人を集められるかも分からない状況です。ほかにこれと言った名前も上がってこず、誰も立たなければ、若手で河野太郎を立ててせめてもの競争の形をつくるのかもしれませんが、これからV字回復を狙うには、いかにも盛り上がりに欠ける戦いです。
それもこれも、すべては人の育成を怠ってきたからです。世襲で何が悪い、実力があれば世襲だって構わないと身内の論理で言ってきましたが、その毒が体中に回って遂に身動きがとれなくなったという状態です。確かに、世襲がすべてNOではないと思います。谷垣さんも、石原伸晃、河野太郎もみな世襲です。しかし、いくら優秀でそこそこ計算が立ってもこの世界の勝手を知った二世、三世たちばかりで占められていては、いつか組織は均質化してきて、エネルギーを失います。組織をかき回す異物となるような存在も必要です。海のものになるか、山のものになるか分からない異物を競わせ、育てていくことが必要です。残念ながら、再生にはしばらく時間がかかるかもしれませんね。
野球の世界は…
楽天・野村監督の著書の中で、誰かの言葉として「財を残すは下、業を残すは中、人を残すは上」という言葉が紹介されていました。もちろん、財や事業がどうでもいいわけではなく、財がなければ事業は出来ず、事業がなければ人も育てられないわけですが、やはり最後はやはり人だということですね。
しかし、こうした言葉を大切にし、多くの選手を育ててきた野村監督ですら、財と業と人のバランスを取るのに苦労しているようです。契約最終年度の今年、クライマックスシリーズに向けて好調を維持していますが、時折選手との確執が聞こえてきます。選手たちが言っているとされる不満は直接聞いたことがないので分かりませんが、岩隈が完投しなかった時にたびたび野村監督が口にした批難めいたコメントは、聞いていて正直なところ感心しませんでした。田中将大タイプと違って岩隈は無理をさせると故障しそうなタイプですし、性格的にもああしたコメントが効くとも思えません。過去にもそれでぎくしゃくしたことがあったにも関わらず、なかなかやり方を変えられないのは、もはや仕方のないところでしょうか…。
しかし、いろいろ批判はあっても、政治の世界と違って、野村監督は確実に選手も育てています。何とか花道を飾れる結果につながるといいですね。
もっと問題なのは監督の育成が出来ていないことです。これは完全にシステムの不備です。半世紀以上の歴史があるにもかかわらず、長らくONとその周辺の人々に依存していただけで、指導者の育成や審判の在り方、球界全体の活性化などはまったくの手付かずで、お寒い限りです。これで花巻東の菊池投手がメジャーにでも逃げたら、それこそ本当に深刻な状況になります。自民党とどっこいどっこいの状況となるでしょう。
しっかりしろ!NPB!
今日のジョグ
昨日2kmしか走れなかったので、西八王子~高尾駅間くらいを往復しました。
8.7km 49分22秒