先週に引き続き、NHKスペシャルでON(言うまでもなく長嶋・王)の特集をしていました。ONに関しては、これまでもいろいろ観てきましたし、読んでもいるので、取り立てて目新しいことを聞いたわけではないのですが、やはり病気を含めて、いろいろ乗り越えてきた今のお二人を見ると、やはり感慨深いものがあります。お二人は私の親と同世代なので尚更です。
そんな中、初めて目にしたのは、王さんのダイエー・ソフトバンク監督時代の試合中のメモを記した手帳です。下位に低迷していたチームをどうすればいいのか考え抜いた結果、試合中に取り始めたそうです。チームが低迷していた時期から、勝ちを覚えていくにつれて、王さんのメモの内容も変わってきたことが興味深かったです。勝つようになってからは、前向きに選手を評価する言葉が並んでいました。
そんな中でも印象深かったのが、次のような言葉です。
「少年のような素直な気持ちで、野球をしよう」
「一打席、一球を大切に」
「夢をもった夢男になろう」
これでは、私たちが少年野球で言うことと変わりませんよね。
一方で、以前から言ってきた「プロは勝つことだけを唯一の目的にしている」と厳しいことも言っていますが、プロ選手相手に、こうした熱い(くさい)ことを言えるようになったことが、たぶん長い時間をかけての王さんの指導者としての成長なのでしょうね。
王さん、長嶋さんに憧れた人は数知れず、その中の恵まれた人はプロに入り、直接その姿を目にしてきたはずです。今なお、ONは日本球界の至宝ではありますが、そろそろ、後継者たちがその跡を担っていってほしいものです。