面白くないなどと賛否がありますが、落合監督率いる中日ドラゴンズは、野球の勝ち方を知っているチームです。今シーズンも戦力が整っていなかった中盤までは苦戦しましたし、追い上げた後半戦でも圧倒的な強さは感じさせませんでしたが、最後は見事に差し切りました。元々、落合監督の就任前から広い名古屋ドームに合わせた、守備力中心のチームづくりをしていましたが、落合監督はそれを一層推し進め、少ないチャンスをものにし、先発・中継ぎ・抑えで勝ち切るチームを作り上げました。これまで名監督と言われた川上監督、広岡監督、森監督などと同様、守りから確率をあげる野球です。
日本シリーズで対戦するソフトバンクも、今シーズンは松中、小久保の主砲が相次いで故障で離脱する事態を逆に活かして、本多、内川、松田、長谷川、川崎といった巧打者タイプの打線で、つないで走る打線を作り上げました。もともと投手陣は、杉内、和田、ホールトン、摂津の先発陣と、金沢、森福、ファンケルボーグ、馬原の中継ぎ、抑えは強力だったので、低反発球の導入で投手優位となった今年は、確率の低い長打頼みではなく、相手がどんな投手でもしぶとく1点を取りに行く打線が見事にはまり、圧倒的な独走状態を築き、心配されたクライマックスも、完全に勝ち切りました。
低反発球が導入された今年、3割打者は両リーグ合わせて9人、2割9分台まで入れても15人、本塁打40本以上は中村1人だけで次がバレンティンの31本、20本台が4人という結果でした。日本にはスラッガーと呼べる長距離打者は一人しかおらず、巧打者と言える打者も10人くらいしかいないということです。7番、8番でも3割、20本くらい打っていた時代と違って、いつか打てるだろうと雑な攻撃をしていたら、いつまで経っても点は入りません。
野球は点が入った方がおもしろいのも事実ですが、野球はやはり投げて、打って、走って、守るスポーツです。大雑把な野球をやっていて勝つことが出来なくなれば、いかに打ち、走り、守るかの技量が上がります。身売りが決まった横浜ベイスターズは、本塁打王の村田や、首位打者の内川がいても、一向に勝てませんでした。大事なのは、やはりしっかり守り、いかにしつこく、粘っこく点を取りにいくか、です。
少年野球で、バント、バントはどうかと思いますが、打ち気満々で顔はレフトスタンドで、ボールはミットの中では、なかなか点は入りません。それ以前に、守りで、捕れない、投げられない、走りまくられるでは、勝てるはずもありません。勝ち方を身に付けられるといいですね(付けろとは言いません。それが出来たら、本当に強豪チームですからね。そこまで高望みはしません)。
↓ 勝ち方を身に付けよう!