ドラフトで日本ハムに指名され、去就が注目されていた菅野投手ですが、今日、浪人することを発表しました。
周知の通り、原監督の甥でもあり、巨人への強い思いがありましたが、負けん気の強い性格が顔つきにも表れており、一年も待つことはできないのではないか、プロ入りするのではないかと踏んでいましたが、思い悩んだ挙句、初志を貫徹する決意を固めたようです。
自分自身の進路ですから、それを責めることは出来ません。一方、指名した日本ハムも正当な権利ですから、それを責めることは出来ません。しかし、「よくやった」という論調もまた違います。「よくやった」と言えるのは、獲得できたらの話で、失敗すれば、球界にとっても、球団にとっても、損失でしかありません。
そして、もう一つ、こうした事態を招いている原因は、何度も書いているように、入札制度にあります。ベストではないかもしれませんが、下位チームから指名していく完全ウェーバー制にして、FA制度の取得期間を早期化するのが、ベターな選択だと思います。入口は選べないが、自分の頑張り次第で、その後の進路は自分で選べるという制度です。
それを、入札なんて運を天に任すような制度をとっているから、いろいろな悲喜劇を生むのです。それどころか、ドラフト制度は憲法違反と自由競争を主張する、某老害実力者がいるのですから、中々、改革も進みません。自由と民主主義の本場アメリカですら自由競争ではないことをどう考えるのでしょうね。
そもそも、憲法違反なんて大上段に振りかぶった物言いをしていますが、オーナーでもない老害経営者の横暴な振る舞いが、法律に適っているとはとても思えません。清武元球団代表の言い分が正しいかどうか分かりませんが、商法に則れば、会長だろうが、社長だろうか、平取だろうが、取締役には、善管注意義務をはじめとして、同じ義務や責任があります。会長や、社長がエラそうにしていても、本来は言わなければいけないわけです。
別に某老害経営者に限らず、こうした原則を無視する経営者は枚挙に暇がないことからも、資本主義や株式会社制度の限界もあるわけですが、株主代表訴訟や、会計監査の厳格化、経営監視強化の動きなど、少しずつですが、こうした限界を修正する動きも進んでいます。子会社のことだからと、好き勝手にさせないようになるといいですね。
閑話休題。フロント・現場が一体となり日本一を勝ち取ったソフトバンクに対して、こんなゴタゴタが続きの球団では、菅野選手が一年間浪人して仮に入団出来たところで、非常に先行き不安です。今回の、清武騒動の是非は分かりませんが、それを抜きにしても、某老害経営者のやり方は、ファンや選手のためになっているとは到底思えません。球団オーナー(あるいはオーナーのような振る舞いをするヤツ)は、本当に野球の発展を願い、ファン、選手、スタッフの声を聞くようにすべきですね。といっても無理でしょうね。