津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

笑止千万なること

2008-09-04 15:45:50 | 歴史
 寛永十五年(1638)七月十三日、三齋の娘・お萬の舅烏丸光廣が亡くなった。
八月廿一日付の三齋の忠利宛書状に次のように記している。(抜粋)

 烏丸大納言殿儀笑止千萬絶言語迄ニ候 院様より腫物之刻内薬を
 醫師ニ被 仰付あたへさせ被成候 此薬ゆへと申候天下道具にて
 候つるニおしき事ニて候

 この時期の書状でよく目にする「笑止千萬」は、現代の「非常にこっけいなさま」という意味ではなく、「たいそう気の毒なさま」である。

 烏丸光廣は正式には権大納言である。慶長五年の幽齋の田邊城籠城に際しては、開城の為の勅使を勤めた。同七年、幽齋により古今伝授を受ける。慶長十四年七月におきた、侍従猪熊教利による女官密通事件に連座して勅勘をこうむったが慶長十六年勅免となった。


  
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頓とわからず

2008-09-04 08:32:22 | 徒然
 夏目漱石の句に 本名は頓とわからず草の花 というのがある。

 「頓と」とは当て字だろう。「頓」の字意からすると意味が通じない。
漱石先生の遊び心といったところか。「とんと」が正解だ。

■とん‐と
[副]1 すっかり。きれいさっぱり。2 (あとに打消しの表現を伴って)一向に。すこしも。

 細川忠興の弟・興元の名は頓五郎、何と読むのだろうか。あまり気にせず「とんごろう」としてきたが、これは「とみごろう」が正解だろう。

■とみ【頓】
[名・形動ナリ]《「頓」の字音「とん」の音変化》にわかなこと。急なこと。また、そのさま。→頓(とみ)に

 字意からしても、なんとも解しかねる名前だが、国語辞書にある次ぎの記述を見てこれではないかと推測したりしている。父君幽齋公の命名であればありうる話ではないか。

■とんあ【頓阿】
[1289~1372]鎌倉末・南北朝時代の歌人。俗名、二階堂貞宗。比叡山で修行し、のち諸国を行脚。和歌を藤原為世に学び、二条派を再興。和歌四天王の一人。「新拾遺和歌集」の完成に尽力。

 真意の程は・・頓と分からない。
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