これは建築用語だが、いまではすっかり一般化している。建築家・安藤忠雄氏のすばらしい作品の影響が大きい。工業化された製品を組み立てることが多くなった昨今の建築では、建築素材の面白みが見られる作品が少なくなった。そういう意味では「コンクリート打ち放し」という仕上げの手法は、今日では稀有な仕上げ材ともいえる。
2007年10月号の芸術新潮「細川家・美と戦いの700年」に、京都紫野大徳寺高桐院のお茶室が掲載されている。(p136~137) 床の間の写真が写されてあり、床の間の壁が「コンクリート打ち放し」のような風情ですごく美しい。サイトを通じてご厚誼をいただいているT氏は、大徳寺高桐院の檀家であられる。ついでの折にこのお茶室についてお調べいただくようお願いした。
高桐院様からのお答えは次のようであった。
「狩野永真安信(狩野永徳の弟)が江戸初移築後に襖画したものを、平成の修復のさいにはがし、土壁下地の上の障子の桟状のものの上に張ってある。」とのこと、残念ながらこの場所は拝観できないらしい。
改めて写真を眺めてみると、なるほどと合点する。狩野永真の御作も是非お目に掛かりたいものだが、「コンクリート打ち放し」のような現在の壁も素晴らしいの一語につきる。T氏からお贈りいただいた高桐院の写真集をひも解くと、さぞやと思わせる秋の紅葉や落ち葉の風情が素晴らしい。
膝をさすりながら、なんとかこの空間に身を委ねたいものだと思っている。
2007年10月号の芸術新潮「細川家・美と戦いの700年」に、京都紫野大徳寺高桐院のお茶室が掲載されている。(p136~137) 床の間の写真が写されてあり、床の間の壁が「コンクリート打ち放し」のような風情ですごく美しい。サイトを通じてご厚誼をいただいているT氏は、大徳寺高桐院の檀家であられる。ついでの折にこのお茶室についてお調べいただくようお願いした。
高桐院様からのお答えは次のようであった。
「狩野永真安信(狩野永徳の弟)が江戸初移築後に襖画したものを、平成の修復のさいにはがし、土壁下地の上の障子の桟状のものの上に張ってある。」とのこと、残念ながらこの場所は拝観できないらしい。
改めて写真を眺めてみると、なるほどと合点する。狩野永真の御作も是非お目に掛かりたいものだが、「コンクリート打ち放し」のような現在の壁も素晴らしいの一語につきる。T氏からお贈りいただいた高桐院の写真集をひも解くと、さぞやと思わせる秋の紅葉や落ち葉の風情が素晴らしい。
膝をさすりながら、なんとかこの空間に身を委ねたいものだと思っている。