朝から風がうなり雨が横なぐりに降っている。昼頃からは大雨の予想が出ている。今日は多くの犠牲者が出た昭和28年の大水害の鎮魂の日である。
62年前の私は小学校六年生、雨の中をいつものように登校した。当時私は区域外の出水校区から大江小学校に通っていた。
片道7キロほどの距離がある。雨が激しくなったお昼過ぎ、全員下校の指示が出た。
喜び勇んで帰途に就いたのだが、夕刻に成ると思いがけない洪水となり水かさが見る見るうちに上がって鴨居の高さまでつかり、我が家は水没状態になった。
命からがら近くのお寺に避難した。翌日家に帰ると、ちょうど真向いのS家は流失しており、三四軒の家は修復が不可能な状態で傾いている。
更地になってしまったS家の、ただ竹を差し込んだだけの突き井戸からきれいな水がこんこんとわき出ていた光景が今でも目に浮かんでくる。
我家も背後に流木が山とかさなっていた。跡片づけが大変だったろうと思うがこれはあまり記憶がない。
大江小学校同窓17名が亡くなり10数名が行方不明である。校庭の中央にある大きな榎(?)の下で熱い夏の日に行われた慰霊の式典も忘れられない。
白川も河川改修が進み、あのような被害はもうないと思うが・・・・水は恐ろしい。
この大水害がトラウマとなって現在は標高50mほどの所に住んでいる。