幕末維新 『 熊本藩筆頭家老 松井盈之 書簡 』 蒸気艦 古文書
出品者者は佐々木與太郎についての説明をしていないが、時の家老(有吉)立愛のことである。有吉氏が本姓佐々木氏を名乗るのは明治二年十月の事であり、明治三年七月には又有吉姓に戻している。その意味では大変貴重な資料といえる。
明治三年熊本藩は朝廷に対し蒸気船「龍驤艦」を献上するが、そのことについて連絡する人吉藩宛ての書状である。
徳富蘆花が「肥後の維新は明治三年にやってきた」と記した、まさにその直前のものである。(従四位と有るのは韶邦、新従四位と有るのは護久である。)
一筆致啓達候各様弥
御堅固可為御勤珍重存候
然者今度
朝廷江相伺候筋等御座候ニ付
従四位儀東京江可被
相越處所労ニ付為名代
親従四位儀来ル晦日熊本
發途蒸気船ニ而被相越筈
御座候此段御知如是御座候
恐惶謹言
藪 一
三月廿七日 政敏 花押
佐々木與太郎
立愛 花押
松井新次郎
盈之 花押
山田造酒蔵様
犬童平兵衛様
「龍驤艦」