随分前の話だが、熊本に「岡っ引き」みたいな人がいたのだろうか?という質問を受けた事が有った。
いろいろ調べてはみたが判らず終いでいる。
熊本の安政期の古地図を眺めていたら「手木之者」という書き込みを見つけた。
熊本市中央区水道町二丁目、肥後銀行水道町支店の脇道を入ると「手取神社(かっての長安寺」前の道に突き当たる。
その左角の一角に「手木之者」」とあった。何度も何度も眺め親しんでいる地図だが見落としていた。
そして「手木之者」という表記さえ初見である。「手木」とは「十手」のことをいうらしいが、その他「強く締めつけるために、綱を巻きつける短い木切れ。」という意があるようだ。
つまり捕縛に係る職業の者ではないのか。ただしこの地図によると「詰所」なのか「住居」なのかよく判らない。
そうすると、まだこの様な表記がいくつか存在しているのかもしれない。
安政期の地図は熊本城下を13葉に分けて全てを網羅している。安政期ゼンリン地図といってよい。
これをきっかけに、「熊本の岡っ引き」にたどり付ければと思っている。