2月の熊本史談会では、論語塾講師・阿田俊彦氏をお迎えして「儒学 日本への伝承、そしてその変遷」をお聞きするが、先生のご講演は昨年五月に第一回目をお聞きしている。
お話が高尚だから、前回の資料などを持ち出して「予習」を始めた。
私は熊本における儒学の流れについて少々興味を持っている。寛文九年(1669)には藩主綱利によって陽明学が異学とされ、優秀な多くの人材が追放された。
横井小楠(1809-1869)が朱子学の師と仰いだ大塚退野(1678-1750)は、もともとは陽明学者であったが、後に朱子学者となった。
小楠は退野の死後60年後に生まれているが、朝鮮の李退渓の教えに沿った退野の朱子学に心酔している。
諸々の資料を読むと退野の考えは「知行合一・躬行実践」だとされるが、これはまさしく陽明学の考えである。
小楠の行動はまさに「知行合一・躬行実践」だから、小楠の行動規範は陽明学にあるように思えるが、菲才の私には理解の埒外にある。
大塚退野の評価はいま一つ低いように感じるが、実は10数年前に退野先生のお墓が近い春日小学校では「郷土読本・大塚退野先生」という教本が発刊されたことがあった。
これを思い出し急にこの本を入手したいと思い、「日本の古本屋」等を探すが見つからない。
編者は、熊本市中央区新町にある仏具店の店主・米村孝一という方である。残部があるかもしれないと思いいたった。
近くに住む友人が電話してきたときに、もしかしてご存知かもしれないとお聞きしたら知っているというお話だった。
昨日夕刻お店の前を通りかかり、店主にお声がけして聞いてくれた結果幸いにも残部があったので、買い求めていただいた。
阿田先生のお話が、熊本の儒学の系統迄話が及ぶのかどうかは判らないが、少々予習をして質問の機会があればお聞きしてみようかと思っている。
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