NHKではラジオ放送が始まって90周年を迎えるのを記念し、日本を代表する三人の経済人の生涯を描いたドラマ「経世済民の男」三部作をNHK 総合テレビで放送予定である。第一部では、大蔵大臣を歴任し日本のケインズと言われた「高橋是清」、第二部は現・阪急阪神東宝グループの創業者「小林一三」、第三部では電力事業の分割民営化を成し遂げ 電力の鬼 と呼ばれた「松永安左エ門」 を取り上げる。
さてその一部に登場する高橋是清は次のような人物である。
明治から昭和期にかけての銀行家,財政家,政治家。安政1年閏7月17日川村家の庶子として江戸に生まれ,仙台藩足軽高橋家の養子となる。横浜において英語を学び,慶応3(1867)年仙台藩の留学生として渡米,奴隷に売られるなどの辛酸をなめ,翌明治1(1868)年末帰国,森有礼の学僕となる。大学南校(東京大学)に入学,次いで教官3等手伝いとなったが放蕩のため辞職。以後多くの職業を経験したのち,同14年文部省に入り,すぐ農商務省に転じて商標登録,発明の専売特許の制度の立案実施に当たり,専売特許局長となる。22年,辞職してペルーの銀山の経営に当たったが失敗して,財産を失い逼塞。25年,総裁川田小十郎の世話で日本銀行の建築所事務主任に就職,26年正社員となり西部支店長(下関)として成績をあげ,28年横浜正金銀行本店支配人,30年副頭取として経営を刷新,32年日本銀行の内紛に際し日本銀行副総裁となる。37年,日露戦争に際して外債募集のため2度にわたって英米両国に出張し,戦費および内国債償還のため,5回にわたり1億500万ポンド(約9億円)の募債に成功。38年貴族院議員,40年男爵,44年日銀総裁。このころより原敬と積極的な財政政策について意見が一致し,大正2(1913)年山本権兵衛内閣に蔵相として入閣,政友会入党。同7年原内閣の蔵相として,鉄道,電話,教育などの支出を拡張して積極政策をとり,10年原暗殺ののち首相総裁を引き継いだ。13年の第2次護憲運動の際には隠居して衆議院に当選,加藤高明内閣に農商務相として入閣。14年総裁を辞して政界を引退したが,その後も蔵相として田中内閣,犬養,斎藤,岡田の各内閣に入閣,昭和恐慌後の景気回復を実現させ,「高橋財政」時代を築いたが,昭和11年,2・26事件の際暗殺された。(朝日日本歴史人物事典から引用)
是清のペルーにおける銀山の経営について、今般五味篤氏著「銀嶺のアンデス 高橋是清のペルー銀山投資の足跡」が発刊された。
NHKドラマにおいてもこの著書から引用されているらしい。このペルー銀山開発にあたり、投資者の一部に旧肥後藩士が連なっており、特にA氏について略歴等についてお問い合わせをいただいたという経緯がありささやかな御縁となった。ドラマを通じて高橋是清に親しみたいと思っている。
放送:前編 8月22日(土)21時~ 後編 8月29日(土)21時~

『銀嶺のアンデス -高橋是清のペルー銀山投資の足跡-』
著者:五味 篤 発行:アンドレス・デル・カスティージョ協会
販売価格:3,400円(税込・送料別)
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