1999年、はじめてパリを訪れた。モンマルトルまでメトロで出かけたら、丘ゆえ地上出口までらせん階段を延々と登る破目になった。ちょうど広場でフリーマーケットが開かれていて、その中に、うずくまる女性の石膏の置物があった。
まだユーロ導入前のこと、150フランだった。店番の女の子に、たしか、50フランなら買うよと値切ったところ、満面の笑みで、イエス。買わざるを得なくなった。
これが何なのか解らないままだったのだが、数年後に訪れたロンドンのノッティングヒル(休日はスリ注意の市場となる)で、同じような形の置物を見つけた。馬鹿馬鹿しくなってそのまま通り過ぎた。
そして今年、インドネシアのメダン空港でのこと。時間待ちでぶらぶらと売店を冷やかしていると、今度は屈強な男がうずくまっている。本物ではない、もちろん置物である。結構くだらなくて琴線に触れ、入手してしまった。
このモチーフは何なんだろう。世界中にあるのかな。