「NNNドキュメント'15」枠で放送された『100歳、叫ぶ 元従軍記者の戦争反対』(2015/1/25放送、秋田放送制作)(>> リンク)を観る。
主役は、ジャーナリストのむのたけじさん。
むのさんは20歳を過ぎて新聞社に就職し、従軍記者として活動、30歳のときに敗戦を迎えている。そこで視た戦争の実態と、大本営発表をそのまま流す新聞との大きな乖離。むのさんは間もなく新聞社を辞し、自らはじめた新聞や執筆、講演などの活動によって、「戦争反対」を今にいたるまで続けている。
講演でのむのさんの声は、ほとんど「叫び」に近い。これは、多くの聴く者の内奥まで浸透しているに違いない。
1994年に辺野古を訪れた、むのさんの映像がある。キャンプ・シュワブとの境界は鉄条網であり、平和を祈るメッセージを記したリボンがたくさん結わえられている。しかし、その時点で既に非人間的であった鉄条網は、今や、さらに人間性のかけらもないフェンスに変わった。辺野古の浜でむのさんが会話していた金城祐治さんも、辺野古反対運動のさ中に亡くなっている。そして、事態はさらにあやうい方向へと進んでいる。
●NNNドキュメント
『日本地図から消えた島 奄美 無血の復帰から60年』(2014年)
大島渚『忘れられた皇軍』(2014年)
『ルル、ラン どこに帰ろうか タンチョウ相次ぐ衝突死』(2013年)
『狂気の正体 連合赤軍兵士41年目の証言』(2013年)
『活断層と原発、そして廃炉 アメリカ、ドイツ、日本の選択』(2013年)
『沖縄からの手紙』(2012年)
『八ッ場 長すぎる翻弄』(2012年)
『鉄条網とアメとムチ』、『基地の町に生きて』(2008、11年)
『沖縄・43年目のクラス会』(2010年)
『風の民、練塀の街』(2010年)
『証言 集団自決』(2008年)
『ひめゆり戦史』、『空白の戦史』(1979、80年)
『毒ガスは去ったが』、『広場の戦争展・ある「在日沖縄人」の痛恨行脚』(1971、79年)
『沖縄の十八歳』、『一幕一場・沖縄人類館』、『戦世の六月・「沖縄の十八歳」は今』 (1966、78、1983年)