Sightsong

自縄自縛日記

アンブローズ・アキンムシーレ『The Imagined Savior is Far Easier to Paint』

2015-02-19 07:09:42 | アヴァンギャルド・ジャズ

アンブローズ・アキンムシーレ『The Imagined Savior is Far Easier to Paint』(Blue Note、2014年)を聴く。

Ambrose Akinmusire (tp, perc)
Sam Harris (p, mellowtron)
Walter Smith (ts)
Charles Altura (g)
Harish Raghavan (b)
Justin Brown (ds)
Becca Stevens (vo)
Maria Im (vl)
Brooke Quiggins Saulnier (vl)
Kallie Ciechomski (viola)
Maria Jeffers (cello)
Elena Pinderhughes (fl)
Theo Blackmann (vo, effects)
Cold Specks (vo)
Muna Blake (reading)

自分にとって新しいものはすぐには聴かない方だし、飛行機の中で少しつまみ食いしたがピンと来なかったし、曲によってメンバーが入れ替わるのは苦手だし、というわけで、評判を聞いても手を出さなかったのだが、わたしが間違っておりました。これ、素晴らしく素晴らしいアルバムだ。今までロクに聴いておらず損をした。

確かに曲によって編成は異なるが、何も豪華ゲストを入れまくったわけではない。アンブローズ・アキンムシーレ、サム・ハリス、ウォルター・スミス、チャールズ・アルトゥラ、ハリシュ・ラガヴァン、ジャスティン・ブラウンを中心メンバーとして、ストリングスを入れた曲や、個性的なヴォーカリストを入れた曲があったり。このあたりの構成や作曲は見事。

何より、アキンムシーレのトランペットが本当に耳に新鮮だ。繊細そのものの音色であり、毛羽立たない紙縒りをさらに丁寧により合わせているような印象がある。同様に知的で繊細なトランペットの音色を持つトム・ハレルは、アキンムシーレに惚れたにちがいない(ハレルがアキンムシーレを入れたグループが活動を開始している)。

そして、ジャスティン・ブラウンのドラムスもまた鮮やかで異次元。今頃騒ぐなと言われそうだが、この人は何なのか。リーダー作はないのだろうか。どこで他に聴けるのだろう。

●参照
アンブローズ・アキンムシーレ『Prelude』
ヴィジェイ・アイヤー『In What Language?』(アキンムシーレ参加)