Sightsong

自縄自縛日記

チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーの3枚組

2015-02-18 07:36:09 | アヴァンギャルド・ジャズ

チャーリー・パーカーディジー・ガレスピーの名前を冠したアルバムといえば、『Bird and Diz』(1949-50年)が有名である。もちろん革命をなしとげたふたりであるから、例えばフィデル・カストロとチェ・ゲバラの足跡をスナップショット1枚で語ることができないように、たまたまの双頭盤だけで・・・、何の話でしたっけ。

要は、偉大なバードとディジーのお得3枚組『Bird & Diz』(Not Now Music)が出ているということ。わたしも手放していたりして、あらためて聴いている。音も良くなっていて、悠然と危険な速度で地表すれすれを飛んでいたかと思うと急上昇するディジーの独特な音や、冗談みたいに引き締まったバードのソロが飛び出してくる。

『Bird and Diz』(1949-50年)は、セロニアス・モンクの参加が嬉しい。もう20年以上前に、これをBGMとして流していた吉祥寺「くぐつ草」のカレーをどうしても思い出してしまう(どうでもいいですね)。

『Jazz at Massey Hall』(1953年)も言わずと知れた名盤。何しろ、ディジーとバードに加えて、チャールス・ミンガス、バド・パウエル、マックス・ローチが加わった「あり得ないクインテット」である。客席の歓声が不自然で、演奏も面子のわりにパッとしないなという印象だったのだが、いやいや、やっぱり素晴らしい。ミンガスの駆動力が再発見。

『Diz 'n' Bird in Concert』(1947, 53年)、これは初めて聴いた。特に47年のセッションにおけるバードの迫力がもの凄い。このときの「A Night in Tunisia」や「Confirmation」をナマで聴いた人は肝をつぶしたのではないか。『Dial Session』のように、美味しいソロが終わると録音が終了するのは良いのか悪いのか。

●参照
チャーリー・パーカーが住んだ家
ジーン・バック『A Great Day in Harlem』(ディジー登場)
フランソワ・ジョリ『鮮血の音符』(ディジーのことが何度も書かれる)