新宿ピットインに足を運び、WHOトリオの演奏を観た(2015/2/11)。目当てはフリーの猛者、ジェリー・ヘミングウェイ。
Michel Wintsch (p)
Gerry Hemingway (ds)
Bänz Oester (b)
Guest: 八木美知依 (箏)
駆けつけたとは言っても、これまで、ヘミングウェイのドラミングの個性が、腑に落ちていたわけではない。だが、はじめてその演奏を目の当たりにして、やはり独特だったのだなと思った。
かれのドラミングは、モダンジャズのスイングや大きな円環のようなものとは性質が異なるのだ。そうではなく、時間の連続性から解き放たれて、ひとつひとつが互いに独立したような音を発していき、時間はその都度創出される。そしてそのスタイルは、アウトボクサーのようでもあった。スイングや連続性に対して過激なアンチテーゼを示したアンソニー・ブラクストンと長く共演してきたことも、納得してしまう。
最初のステージはトリオでの演奏だったが、後半、八木さんが入ったことが刺激剤になったようで、さらに面白い相互反応があった。
●参照
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』
レジー・ワークマン『Summit Conference』、『Cerebral Caverns』