シュリッペンバッハ・トリオ『First Recordings』(Trost、1972年)を聴く。
Alexander von Schlippenbach (p)
Evan Parker (ts, ss)
Paul Lovens (ds)
これが、その後ずっと続く名グループの初めての吹きこみらしい(1972年、ベルリンにおいて)。アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハはまだ30代、エヴァン・パーカーとパウル・ローフェンスはなんと20代。かれらにも若いときがあったのか(当たり前だ)。
しかし、驚くべきことに、既に各人ともに個性を確立しつつあるようだ。華麗というのか獰猛というのか、攻め続けるシュリッペンバッハのピアノ。そこに、割れた音で閉じた世界を創ろうとするローフェンスのドラムスが入ってくる(音空間の内部では閉じていない)。そしてパーカーの唯一無二のサックスによる鳴き声と呟きが、断続的に、鼓膜と脳を刺激する。
オリジンの凄味とはこのことである。何度聴いても動悸動悸する。
●参照
シュリッペンバッハ・トリオ『Gold is Where You Find It』
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』
『Rocket Science』(エヴァン・パーカー参加)
ネッド・ローゼンバーグの音って無機質だよな(エヴァン・パーカー参加)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(エヴァン・パーカー参加)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(エヴァン・パーカー登場)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(エヴァン・パーカー登場)