デイナ・スティーブンス『Peace』(Sunnyside、2014年)を聴く。
Dayna Stephens (sax)
Brad Mehldau (p)
Julian Lage (g)
Larry Grenadier (b)
Eric Harland (ds)
普段フリーとかやかましいものとかばかり聴いていると、ちょっと物足りないように感じるバラード集。
しかし、何度も繰り返し聴いていると、サウンドの心地良さやスムースさが面白いのではなく、スティーブンスのサックスの音色が良いのだとわかる。ここでは、テナー、ソプラノ、バリトンを吹いているが、どれも軽く吹きこなしている感がある。ホップする球であっても、渾身の力で投げ込まれる藤川球児のストレートではなく、余裕を持って発射される江川卓のストレートといったところか。
ところで、わたしはブラッド・メルドーのピアノと相性が悪いのか、すべてニュートリノのように体内をヒットせずすり抜けてしまう。ここでも、いろいろ弾いてはいるのだが、なぜか、どうも印象に残らない。そんなわけだからか、サックストリオでの最終曲がいちばん嬉しい演奏。
●参照
テオ・ヒル『Live at Smalls』(スティーブンス参加)