ノーム・チョムスキー『我々はどのような生き物なのか ソフィア・レクチャーズ』(岩波書店、2015年)を読む。
本書は、2014年にチョムスキーが来日して行った講演「言語の構成原理再考」と「資本主義的民主制の下で人類は生き残れるか」、さらにチョムスキーへのインタビュー等を収録したものである。後者の講演は休暇を取って聴講したこともあり、それを確認したいという思いもあった。(言語論についてはよくわからないのでここでは触れない。)
あらためてチョムスキーの語りを追ってみると、かれの主張がとてもシンプルで理詰めであることがよくわかる。「民主制」とはまったく異なる「資本主義的民主制」のもとでは、ごく一部のオカネを持つ者が政治システムも社会システムも左右しうる構造であること。環境問題という、この枠からはみ出る問題に対しては有効なシステムたりえず、そのために、陰謀論が利用されていること。市民運動は歴史的にも成果を出していること。社会を変えるために、やるべきことは自明であること。情報は、探そうと思えば手に入ること。
日本の「リベラル」層は陰謀論に陥りがちで、そのために自らの価値を貶めている。多くの人が、このレクチャーに接してほしいと思う。
●参照
ノーム・チョムスキー講演「資本主義的民主制の下で人類は生き残れるか」(2014年)
ノーム・チョムスキー+アンドレ・ヴルチェク『チョムスキーが語る戦争のからくり』(2013年)
ノーム・チョムスキー+ラリー・ポーク『複雑化する世界、単純化する欲望 核戦争と破滅に向かう環境世界』(2013年)
ノーム・チョムスキー+ラレイ・ポーク『Nuclear War and Environmental Catastrophe』(2013年)
ノーム・チョムスキー『アメリカを占拠せよ!』(2012年)