ペンをよく使う。
筆圧が強くないわたしにとって、素早くたくさん書くためには万年筆がベストだということに気付いたのは、割に最近のことだ。
一方、万年筆はそれなりに使い方に気をつかうため、ボールペンやローラーボールも持ち歩く。昔ながらの油性ボールペンは書き味が悪く手が疲れる(もっとも、最近では三菱鉛筆のジェットストリームなど素晴らしいものがある)。ローラーボールはすらすら書けて好みだが、日本では主流ではなく品数が多くない。
ローラーボールには、できれば万年筆のインクを使いたい。フランスのエルバンが廉価なものを出しており、試したこともあるが、書き味が硬く、インクフローが渋い。しかも、残念なことに、カートリッジ専用である。ヴィスコンティやオマスといったイタリアの万年筆メーカーが、このようなものを出していることは知っているが、あまり出回っておらず、値も張る。
ローラーボールを巡る悩みは以上のようなものだが、最近、蔵前にある「カキモリ」という手作りノートの店が、万年筆のインクを用いる廉価なローラーボールを出したと聞き、早速訪ねて2本手に入れた。コンバーターが付いて1700円ちょっと、良心的。なお、この界隈には、わたしが遠出用に愛用する鞄を作っている「エミピウ」もある。
せっかくの透明軸なので、普段よりも鮮やかな色を使おうと思って、パイロットの「色彩雫」シリーズの「月夜」を詰めた。なお、万年筆とは違い、ペン先からではなく、コンバーター単体でインクを吸入する。インクがペン先まで浸みるのを待って使ってみると、確かにインクフローが良くて快適。文字には万年筆のように濃淡がある。これは嬉しい。
明日からの実戦投入が楽しみである。
月夜とローラーボール2本
ペン先とキャップ
パイロットの透明軸万年筆「カスタムヘリテイジ92」と並べても違和感がない
●参照
万年筆のペンクリニック
万年筆のペンクリニック(2)
万年筆のペンクリニック(3)
万年筆のペンクリニック(4)
万年筆のペンクリニック(5)
万年筆のペンクリニック(6)
本八幡のぷんぷく堂と昭和の万年筆
沖縄の渡口万年筆店
鉄ペン
行定勲『クローズド・ノート』
モンゴルのペンケース