Sightsong

自縄自縛日記

マタナ・ロバーツへのインタビュー(JazzTokyo)

2019-08-08 23:38:48 | アヴァンギャルド・ジャズ

昨2018年のマタナ・ロバーツのソロパフォーマンスには痺れた。その後で約束をいただき、インタビューを行った。

>> Interview #189 マタナ・ロバーツ

(photo by Evan Hunter McKnight)

●マタナ・ロバーツ
2018年ベスト(JazzTokyo)
マタナ・ロバーツ@スーパーデラックス(2018年)
マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)
マタナ・ロバーツ『Coin Coin Chapter Three: River Run Thee』(2015年)
マタナ・ロバーツ『Always.』(2014年)
マタナ・ロバーツ+サム・シャラビ+ニコラス・カロイア『Feldspar』(2011年)
マタナ・ロバーツ『The Chicago Project』(-2007年)
アイレット・ローズ・ゴットリーブ『Internal - External』(2004年)
Sticks and Stonesの2枚、マタナ・ロバーツ『Live in London』(2002、03、11年)


バール・フィリップス+キャサリン・ジョニオー+マルコム・ゴールドスタイン『Birds Abide』

2019-08-08 22:53:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

バール・フィリップス+キャサリン・ジョニオー+マルコム・ゴールドスタイン『Birds Abide』(Victo、2010年)を聴く。

Barre Phillips (b)
Catherine Jauniaux (voice)
Malcolm Goldstein (violin)

サウンドに左右上下だけでない前後の拡がりがあるとして、キャサリン・ジョニオーはこちらと向こうとの間を飛翔するように往還する。またマルコム・ゴールドスタインのヴァイオリンも歌うようであり、かれも三次元のサウンドに貢献している。

何よりもその背後で、闇の中からこちら側に出てくるようなバール・フィリップスの存在感が圧倒的。

●バール・フィリップス
2018年ベスト(JazzTokyo)(『End to End』)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
バール・フィリップス@歌舞伎町ナルシス(2012年)
ルネ・ボトラング+バール・フィリップス+クリスチャン・レテ『Teatro Museo』(2008年)
バール・フィリップスの映像『Live in Vienna』(2006年)
バール・フィリップス+今井和雄『Play'em as They Fall』(1999年)
バール・フィリップス(Barre's Trio)『no pieces』(1992年)


『ルイズその絆は、』

2019-08-08 21:54:16 | 政治

駒込の東京琉球館で、テレビドキュメンタリー作品『ルイズその絆は、』(1982年)を観る。

伊藤ルイが60歳になるころの貴重な記録である。

このときには大杉栄、伊藤野枝、橘宗一の墓石は福岡の西光寺に移されたばかりだった(その後ふたたび移転)。これは藤原智子『ルイズその旅立ち』にも描かれているように、戦後までお上の目にとまらぬように隠しおおされていた。なぜならば栄と野枝とが反政府のアナキストであり、また、裏面には宗一少年について、その父・橘惣三郎が「犬共ニ虐殺サル」と刻んだからである。

映像では、その墓石の表面に「吾人は/須らく愛に生きるべし/愛は神なればなり」と刻まれていたと紹介する。のちに栄の妹・あやめと離婚するときにあやめを切りつける惣三郎にも、栄に共鳴し堺利彦の娘婿・近藤憲二と再婚したあやめにも、あまりにも激しい気性と愛を強くもとめる心とがあった。

5人の栄・野枝の遺児(魔子、最初のエマ、次のエマ、ルイズ、ネストル)が受けた迫害はかなりのものだった。事件後かれらは全員改名した(真子、幸子、笑子、留意子・ルイ、栄)。もちろん父母の累が及ばぬようにという配慮だった。しかしルイはある年齢から自分を隠さず生きた。「もういちど生まれかわるとしたらまた伊藤になりたい」と言ったという。やはりこの人の生き方には胸を衝かれる。

番組の最後は、ルイも関わった会の名前にも結び付けて、「戦争への道を許さない者たち、われわれ」という言葉で締めくくられる。これがいま伊藤ルイとその縁を思い出す大きな意味である。

●参照
伊藤ルイ『海の歌う日』
藤原智子『ルイズその旅立ち』
亀戸事件と伊勢元酒場
加藤直樹『九月、東京の路上で』
藤田富士男・大和田茂『評伝 平澤計七』
南喜一『ガマの闘争』
田原洋『関東大震災と中国人』
植民地文化学会・フォーラム「内なる植民地(再び)」
山之口貘のドキュメンタリー(沖縄人の被害)
平井玄『彗星的思考』(南貴一)
道岸勝一『ある日』(朝鮮人虐殺の慰霊の写真)
『弁護士 布施辰治』(関東大震災朝鮮人虐殺に弁護士として抵抗)
野村進『コリアン世界の旅』(阪神大震災のときに関東大震災朝鮮人虐殺の恐怖が蘇った)


ジャック・ラカン『アンコール』

2019-08-08 00:30:54 | 思想・文学

ジャック・ラカン『アンコール』(講談社選書メチエ、原著1975年)を読む。1972-73年の講演録である。

あまりにも晦渋で困ってしまう(ラカン先生、3頁にまとめてください)。それでもイメージとして理解したのはこのようなことだ。

シニフィエとシニフィアンとの恣意的な関係は、シーニュは、享楽に、愛に、セックスにはない。その過程で対象が特定され自らを他者に投影することは無いし、あると考えるとすればそれは狂っている。すなわち、セックスとは「書かれないことをやめない」。

愛と性交と享楽に関して展開されているから特別のそれだけの話かと思ってしまいそうだが、これは極めて普遍的な他者論なのだろう。

●ジャック・ラカン
ジャック・ラカン『二人であることの病い』
斎藤環『生き延びるためのラカン』


m°Fe-y@中野Sweet Rain

2019-08-07 07:46:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

中野のSweet Rain(2019/8/6)。

Kei Matsumaru 松丸契 (as, effect)
Kosuke Ochiai 落合康介 (b, morin khuur, rain stick, perc)

m°Feはエムドフェと読むらしい。トリオから高橋佑成を引いてエムドフェ・マイナスワイ。

ファーストセットは即興、セカンドセットは松丸さんのオリジナルを続けて3曲。とは言え即興パートでも作曲のように聴こえてくるのがふたりの腕だということだろう。

松丸さんのアルトを聴くのは2度目だが何か他のアルトと違うという感覚が付いてまわる。ビバップからオーネット、M-Baseを経て現代までのアルトの歴史を凝縮したようでいて普通でない音がやはりとても良い。エアを含んだ擦れ音、敢えて息を不足させてふらつく音、当初のときおりの撥音と同じくらいの音圧のブロウ、みごとである。自律的にも自然の音にも聴こえるエフェクトとの共存も面白い。今度の新譜『THINKKAISM』に期待大。

コントラバスのピチカート、高音のところで奇妙な感覚があったのだがあれは何だろう。それに加えて馬頭琴のうた、レインスティックなどを使った自然の音(となりのエフェクトからは焚火が爆ぜるような音も聴こえて愉快だった)。落合さんの音はかれの佇まいと重なっている。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●松丸契
SMTK@下北沢Apollo(2019年)

●落合康介
クリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一+落合康介+則武諒@中野Sweet Rain(2019年)
レイモンド・マクモーリン@本八幡cooljojo(2019年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
立花秀輝トリオ@東中野セロニアス(2017年)
永武幹子@本八幡cooljojo(2017年) 


マイク・クラーク『Indigo Blue Live at the Iridium』

2019-08-06 08:03:49 | アヴァンギャルド・ジャズ

マイク・クラーク『Indigo Blue Live at the Iridium』(-2019年)を聴く。

Mike Clark (ds)
Christian McBride (b)
Donald Harrison Jr (as)
Rob Dixon (ts)
Randy Brecker (tp)
Antonio Ferao (p)

メンバーから想像できる通り、どジャズである。いつの時代だろうと思ってしまう。これがどジャズである。もう大好き。

リーダーのマイク・クラークはこれまで意識していなかったが大技小技を使って気持ちよくスイングしている。推進力はもちろんクリスチャン・マクブライド。慎み深くも聴こえる、艶々したアルトのドナルド・ハリソンが出てくるとやはりうれしい。そしてぶ厚いのに透明感があるアントニオ・ファラオも良い。

「Past Lives」においてハリソンのソロが有耶無耶に終わってファラオがあれあれと入ってくるところなんでライヴならではだ。「Straight No Chaser」ではクラークのどたばたドラムス、その前でファラオがともかくも太い音で弾き、おもむろにランディ・ブレッカーがソロを取り始める。ハリソンのソロが始まるとマクブライドが強力なサポート。こんな空気感良いなあ。

●マイク・クラーク
エディ・ヘンダーソン『Be Cool』(2017年)
チャーネット・モフェット『Music from Our Soul』(2014-15年)

●クリスチャン・マクブライド
クリスチャン・マクブライド@Cotton Club(2018年)
クリスチャン・マクブライド『New Jawn』(2017年)
アレックス・ギブニー『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』(2014年)
オリン・エヴァンス『The Evolution of Oneself』(2014年)
デューク・エリントンとテリ・リン・キャリントンの『Money Jungle』(1962、2013年)
パット・メセニーの映像『at Marciac Festival』(2003年)
ジョー・ヘンダーソン『Lush Life』、「A列車で行こう」、クラウド・ナイン(1991年)

●ドナルド・ハリソン
エディ・ヘンダーソン『Be Cool』(2017年)
ベニー・グリーン『Tribute to Art Blakey』(2015年)
ジョージ川口『Plays Herbie Hancock』(1987年)

●ランディ・ブレッカー
ギル・エヴァンスの1983年の映像(1983年)

●アントニオ・ファラオ
チコ・フリーマン『Spoken Into Existence』(2015年)


ショーン・アリ+レイラ・ボルドレイユ+ジョアンナ・マットリー『i used to sing so lyrical』

2019-08-06 07:27:09 | アヴァンギャルド・ジャズ

ショーン・アリ+レイラ・ボルドレイユ+ジョアンナ・マットリー『i used to sing so lyrical』(Astoral Spirits、-2019年)を聴く。

Joanna Mattrey (viola)
Leila Bordreuil (cello)
Sean Ali (b)

弦の力なのか、とても不思議なサウンド。

静かな場においてどこからか生命を見出し、三者それぞれが上に引っ張りあげているようである。弦の鳴りは生きている者の声、軋みは声を持たない者の声を思わせる。場全体に意思が充満している。

●ショーン・アリ
『While We Still Have Bodies』(2016年)
While We Still Have Bodies@Children's Magical Garden(2015年)

●レイラ・ボルドレイユ
「JazzTokyo」のNY特集(2016/5/1)(マイケル・フォスター+レイラ・ボルドレイユ『The Caustic Ballads』)


川島誠『you also here』

2019-08-05 23:14:42 | アヴァンギャルド・ジャズ

川島誠『you also here』(Homosacer Records、2016-18年)を聴く。

Makoto Kawashima 川島誠 (as)

ここに収録されている演奏の断片は、2016年から18年まで吹き込まれたアルトソロである。

2016年 12/13 キッドアイラックホール
2017年 1/29 ダウンタウンミュージックギャラリー (NY)
2017年 2/14 川越 i.m.o スタジオ録音
2018年 9/9 飯能 amigo

2016年や17年の音を聴くと、出てしまった音やこれから出る音に問いかける触手的なものを感じる。それと比して、現在のかれの演奏は、手探りや焦燥のようなものがちょっと過去の音となり、出ては消えてゆく音を淡々と受け容れているという印象がある。口蓋から喉までを開いてサックスを鳴らせることは変わらない。しかし、さらに周囲との音の一体化を効果的にしているように思える。いずれにしても、聴く側も無意識に自分の記憶を重ねてしまう力があるようで怖い。

こうして過去の川島さんに触れるのはとても興味深い。

それにしても、NYのDMGのブルースさんはかれの演奏をどう聴いただろう。9月下旬の米国ツアーでは何かが起きるだろうか。ロスでは独特なサックス奏者のパトリック・シロイシが対バンだと言っている。その日共演しようが別々の演奏であろうが、また別の変化が起きるに違いない。

●川島誠
徹さんとすごす会 -齋藤徹のメメント・モリ-(2019年)
マーティン・エスカランテ、川島誠、UH@千駄木Bar Isshee(2019年)
川島誠@白楽Bitches Brew(2019年)
フローリアン・ヴァルター+直江実樹+橋本孝之+川島誠@東北沢OTOOTO(2018年)
照内央晴+川島誠@山猫軒(2018年)
川島誠+齋藤徹@バーバー富士(JazzTokyo)(2018年)
2017年ベスト(JazzTokyo)
川島誠@川越駅陸橋(2017年)
むらさきの色に心はあらねども深くぞ人を思ひそめつる(Albedo Gravitas、Kみかる みこ÷川島誠)@大久保ひかりのうま(2017年)
#167 【日米先鋭音楽家対談】クリス・ピッツィオコス×美川俊治×橋本孝之×川島誠(2017年)
川島誠『Dialogue』(JazzTokyo)(2017年)
Psychedelic Speed Freaks/生悦住英夫氏追悼ライヴ@スーパーデラックス(2017年)
川島誠+西沢直人『浜千鳥』(-2016年)
川島誠『HOMOSACER』(-2015年)


HaraDa ShoGo『1』

2019-08-05 20:23:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

HaraDa ShoGo『1』(2019年)を聴く。

Jin Harada 原田仁 (vo, kaossilator)
Shogo Haraguchi 原口承悟 (b, electronics)

何かに憑かれて狂ったように繰り返すドラムパターン、またヤケクソのようでもヤサグレのようでもあるヴォイス。別の怪獣と合体してパワーアップしたデイヴィッド・モスのようだ。この痙攣のあちこちにジェットエンジンが転がっていて、ベースがまた濁り酒をぐるぐると掻きまわして収集がつかなくなっている。ライヴがあったら観にいきたい。

ところでジャケットはDIYで作られたものだが、売り始めたときに1枚適当に選んだら、原口さんが「うわ引きが良い!鳥肌が!」と叫んだのだが、それが何のことだったか忘れてしまった。

●参照
タリバム!&パーティーキラーズ!@幡ヶ谷forestlimit(2019年)
第三回天下一Buzz音会 -披露”演”- @大久保ひかりのうま
(2017年)


ヴィム・ヴェンダース『世界の涯ての鼓動』

2019-08-05 07:40:00 | アート・映画

日比谷のシャンテで、ヴィム・ヴェンダース『世界の涯ての鼓動』(2018年)を観る。

深海とテロ地域という壮大な舞台設定であり、大袈裟な邦題とともにこれをどう自分の中で処理すればよいのかためらう。

しかし、ラストに至り多少は納得する。これは科学や特定の政治についての映画でも、それをドラマのために利用した映画でもなかった。『ランド・オブ・プレンティ』を撮ったヴェンダースがプロパガンダの片方にやすやすと加担するわけはない。むしろそれらを無化する挟間にこそ、ヴェンダースは入り込みたかったのではなかったか。そしてその狭間では「愛」が待っているという、強靭なロマンチストぶりである。

不自然なほどにこちらを正視する顔に、いまもヴェンダースの中に生きる小津安二郎を見出すことは容易である。あらためてスクリーンの顔に視られていると、『都会のアリス』でのアリスの母、『パリ、テキサス』での鏡の向こうの妻、『ベルリン・天使の詩』でのサーカスの舞姫、『アメリカ、家族のいる風景』での骨壺を抱えた女、実に多くの女性たちがこちらをまじまじと凝視していたことに気付くのだった。

●ヴィム・ヴェンダース
ヴィム・ヴェンダース『パレルモ・シューティング』
ヴィム・ヴェンダース『ランド・オブ・プレンティ』、『アメリカ、家族のいる風景』
ヴィム・ヴェンダース『ミリオンダラー・ホテル』
ヴィム・ヴェンダース『ベルリン・天使の詩』


『けーし風』読者の集い(38) 法と沖縄

2019-08-04 09:34:22 | 沖縄

『けーし風』第103号(2019.7、新沖縄フォーラム刊行会議)の読者会に参加した(2019/8/3、池袋の会議室)。参加者は5人。

話題は以下のようなもの。

●辺野古の埋立に対する裁判。沖縄防衛局が私人になりすまし、それに応じて国交大臣が沖縄県の埋立承認撤回を違法とする採決があった。これに対して、沖縄県は、沖縄防衛局が私人ではないとして、関与取消訴訟を提起(高裁)。また、県、住民側それぞれから、その採決自体を取り消す訴訟を提起(地裁)。いずれも国が敗訴すれば埋立を進めることはできない。
●デニー知事は県の各部局に対し、裁判の判決が出るまで判断も手続きも行わないよう指示。一方の国は埋立を中止していない現状がある。
●ただし、埋立自体は実質的に進んではいない(軟弱地盤の問題)。工期も予算もわからない工事。
●埋立を行う土砂については、いまだ、外来種対策がなされていない。それに加え、海砂を入れる方針となった(瀬戸内や熊本は条例で不可能、となると玄界灘や沖縄か)。鉱滓を入れる可能性もある。こんなことをろくな環境影響評価もなく強行しようとしている。
●埋立用土砂の岩ズリについては、沖縄防衛局が入札を行い、琉球セメント1社のみが応札・落札した。通常の単価よりかなり高く、1社入札になったことの不透明が指摘された(>>リンク)。しかし、「本土」で報道したメディアはほとんどなかった。これが判明したのも、 沖縄平和市民連絡会・北上田毅さんの情報公開請求など地道な取り組みがあったからである。
●新城郁夫氏は、先の県民投票について、力を持つのは少数者の妨害であるという理由で違和感があったと書いている。しかし両者は別の話であり論旨がおかしいのではないか。
●米軍が行うことについては、日本の司法では、米軍という第三者に法的な規制をする判決ができないとしている(「第三者行為論」)。しかしそうだとすると、基地が作られてしまうと、騒音や安全上の問題などについて住民が米軍や国に提訴しても却下されることになってしまう。この点からも、日本の司法は独立していない。
●普天間の跡地利用について、伊波洋一市長時代の宜野湾市において委員会も設置し、素案を作っている。というのは、読谷村の「象のオリ」も、多数の地主がいてどうにもならず、返還されても有効利用されていない事例がある。それを踏まえ、個々の地主の調整も考慮しているはずである。
●その一方で、吉本興業がここに一枚噛んでいるとの報道があった。国際通りの三越跡でも若手芸人の発表の場を作るなどしており、沖縄にかなり入り込んでいるとのこと。さてどうなるか。

映画・本など
藤井道人『新聞記者』
吉浜忍、林博史、吉川由紀『沖縄戦を知る事典』(吉川弘文館)
森口豁『紙ハブと呼ばれた男 沖縄言論人・池宮城秀意の反骨』(彩流社)
井上清『元号制批判』(明石書店)※入手困難

参照
『けーし風』 


板橋文夫@東京琉球館

2019-08-04 07:24:15 | アヴァンギャルド・ジャズ

駒込の東京琉球館(2019/8/3)。

Fumio Itabashi 板橋文夫 (p, melodica, perc)
Guest: 
Tetsushi Nemoto 根本哲史 (melodica, perc)

この親密な空間での板橋文夫さんのソロとなれば駆けつけないわけにはいかない。

久しぶりに至近距離で観ると、ピアノを潰さんばかりの剛腕にあらためて驚かされる。嵐の中に抒情がある、というか、嵐そのものが抒情になっているというか。オリジナルの「Last Summer」、ヴィクトル・ハラの「平和に生きる権利」、コルトレーンの「Naima」、タイの精霊流しの歌、「八木節」、沖縄民謡の「安里屋ユンタ」などを演って、途中で若いピアニストの根本哲史さんも参入した。最後は「渡良瀬」、そして「グッドバイ」。

なんにしても衰えない板橋さんのスタイルであり感動するなと言われても感動する。終わってからお店の陽子さんの料理や板橋さんの妹さんの差し入れなどをいただいて愉しい時間を過ごした。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●板橋文夫
森山威男 NEW YEAR SPECIAL 2019 その1@新宿ピットイン(2019年)
森山威男3Days@新宿ピットイン(2017年)
板橋文夫@東京琉球館(2016年)
森山威男@新宿ピットイン(2016年)
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
森山・板橋クインテット『STRAIGHTEDGE』(2014年)
寺田町+板橋文夫+瀬尾高志『Dum Spiro Spero』(2014年)
板橋文夫+李政美@どぅたっち(2012年)
立花秀輝『Unlimited Standard』(2011年)
峰厚介『Plays Standards』(2008年)

板橋文夫『ダンシング東門』、『わたらせ』(2005、1981年)
板橋文夫『うちちゅーめー お月さま』(1997年)
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』(1980、1990年)


ハンス・コッホ+ヨナス・コッハー+ガウデンツ・バドルット『KOCH-KOCHER-BADRUTT』

2019-08-03 11:00:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハンス・コッホ+ヨナス・コッハー+ガウデンツ・バドルット『KOCH-KOCHER-BADRUTT』(BRUIT、2014年)を聴く。

Hans Koch (bcl)
Jonas Kocher (accordion)
Gaudenz Badrutt (electronics)

しばらくは無音が続き驚くが、やがて三者それぞれにサウンドへの策動を始める。大変な集中力が注ぎ込まれていることは聴けばわかる。内省と外部への表現との往還自体がプロセスとして提示されているようである。

コッホとコッハーとは連続と不連続、ときには断絶をもって近づきあって、達人同士がとても良い呼吸のサウンドを作っている。バドルットのエレクトロニクスが背景でうごめくものとなっていてこれもまた良い。

●ハンス・コッホ
PORTA CHIUSA@本八幡cooljojo(2018年)
ポルタ・キウーザ『because life should be so wonderful (I)』と大阪でのライヴ(2014、18年)

●ヨナス・コッハー
DDKトリオ+齋藤徹@下北沢Apollo(2018年)
DDKトリオ@Ftarri(2018年) 
DDKトリオ『Cone of Confusion』(JazzTokyo)(2017年)


騒乱武士『秋田・鎌鼬の里ライブ』

2019-08-02 00:16:17 | アヴァンギャルド・ジャズ

騒乱武士『秋田・鎌鼬の里ライブ』(地底レコード、2019年)を聴く。

Krassy クラッシー (per, cond)
Mizuho 瑞穂 (vln)
Ippei Kato 加藤一平 (g)
Noriko Nishida 西田紀子 (fl)
Naoki Tenjin 天神直樹 (tp)
Yasutaka Kobayashi 小林ヤスタカ (ss)
Hideki tachibana 立花秀輝 (as)
Naoki Nishimura 西村直樹 (b)
Goku Nonaka のなか悟空 (ds)

恐怖の2枚組は予想通りというべきか予想なんか関係ないというべきかずっと熱い。ややくぐもった録音の向こう側に、何が何でも生き続ける=演奏し続けるという理性を超えた何かが見え隠れする、というか見える。

各演奏者の見せ場はいろいろある。聴いていると誇示が自然体であろうとどや顔であろうとどうでもよくなってくる。

それにしても、ドラムスや管楽器やベースは直情的に聴こえるのだが、ここにパーカッションやヴァイオリンやギターがずっと介入していて、それが、熱気が内へ内へと籠り続けることによる熱死を回避させているように感じられる。

●のなか悟空
林ライガ vs. のなか悟空@なってるハウス
(2017年)
のなか悟空&人間国宝『@井川てしゃまんく音楽祭』(2016年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年)