京都市議による、同和問題の「逆差別」報告書。これまでにも同和問題を訴えた著作はいろいろあって、それが書かれた時代を背景とした現状分析や問題提起がされていたと思うが、本書は比較的新しい時点のレポートになる。
本書のユニークなのは、従来ありがちだった「旧地区出身者はこのように差別されている」というスタイルではなしに、(むしろ一般人に)不平等な職員採用の問題、同和対策の行き過ぎとも言うべき過剰に整備された設備などを、実際に調査した内容を基にレポートしていること。こうしたレポートのまとめとして著者は「逆差別」が続くことこそ、同和問題がなお存続している証拠。残すべきは残し、真に「誰でも」使える施設にしてゆくことが京都市制の課題であると主張する。
現地調査や写真による現状報告は疑いようがないし、具体的な市の財政支出や民間方式に準じた人件費試算もあるので本書の内容には説得力があると言える。実現に向けたハードルについて、現場の抵抗、市職員の在任中事なかれ主義などが上がっているが、どれももっともであろう。無論、だからと言って手を拱いて良い事にはならないが。是非とも、続編にてその後の状況を読んでみたい。
しかし思うのは、や在日の問題って、少なくとも大きく表面化するのは京阪神と福岡ばかりな気がする。それらの地区にそういう被差別者が多いのは歴史的な経緯があるのだけど、他の地域ではどうなんでしょうね。
2010年6月19日 自宅にて読了
本書のユニークなのは、従来ありがちだった「旧地区出身者はこのように差別されている」というスタイルではなしに、(むしろ一般人に)不平等な職員採用の問題、同和対策の行き過ぎとも言うべき過剰に整備された設備などを、実際に調査した内容を基にレポートしていること。こうしたレポートのまとめとして著者は「逆差別」が続くことこそ、同和問題がなお存続している証拠。残すべきは残し、真に「誰でも」使える施設にしてゆくことが京都市制の課題であると主張する。
現地調査や写真による現状報告は疑いようがないし、具体的な市の財政支出や民間方式に準じた人件費試算もあるので本書の内容には説得力があると言える。実現に向けたハードルについて、現場の抵抗、市職員の在任中事なかれ主義などが上がっているが、どれももっともであろう。無論、だからと言って手を拱いて良い事にはならないが。是非とも、続編にてその後の状況を読んでみたい。
しかし思うのは、や在日の問題って、少なくとも大きく表面化するのは京阪神と福岡ばかりな気がする。それらの地区にそういう被差別者が多いのは歴史的な経緯があるのだけど、他の地域ではどうなんでしょうね。
2010年6月19日 自宅にて読了