(神奈川の)県道に関する本など行政関係資料以外は見当たらないが、国道に関する本であればある程度ヒットする。大部分はドライブガイド的、特に「酷」道をフィーチャーしたもの。あとはウンチク本。本書はそのどちらにも所属しているし、所属していない。
本書の視点は国道としての指定のされ方。なので、歴史的に「国道」という指定がいつ頃から行われたかから始まり少々ネムい。とは言え必ずしも江戸時代の旧街道を踏襲したものではなく、殖産振興の空気を感じさせる路線指定が行われていたとは勉強になる。歴史のあやで現在の姿になった国道が取り上げられている。通常であれば「未成国道」あるいは「点線国道」という切り口なのだろうが、現在の姿に留まらずそこまでの歴史的背景を詳細に調べ書いている点が素晴らしい。上越国境のR291や竜飛岬のR339など、現地に行って確かめたくなる。そして「海上の道」、フェリーで結ばれていたり事実上孤立していたり、離島を走る国道。
「こんな国道がある」だけでも楽しいが、そうなった歴史的、地理的背景まで考察すると立派な学問だなと思わされた。
2015年7月19日 サンフランシスコ空港のラウンジにて読了
本書の視点は国道としての指定のされ方。なので、歴史的に「国道」という指定がいつ頃から行われたかから始まり少々ネムい。とは言え必ずしも江戸時代の旧街道を踏襲したものではなく、殖産振興の空気を感じさせる路線指定が行われていたとは勉強になる。歴史のあやで現在の姿になった国道が取り上げられている。通常であれば「未成国道」あるいは「点線国道」という切り口なのだろうが、現在の姿に留まらずそこまでの歴史的背景を詳細に調べ書いている点が素晴らしい。上越国境のR291や竜飛岬のR339など、現地に行って確かめたくなる。そして「海上の道」、フェリーで結ばれていたり事実上孤立していたり、離島を走る国道。
「こんな国道がある」だけでも楽しいが、そうなった歴史的、地理的背景まで考察すると立派な学問だなと思わされた。
2015年7月19日 サンフランシスコ空港のラウンジにて読了