日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
お気軽にコメント下さい。

【本】コーマック・マッカーシー著・黒原敏行訳 「すべての美しい馬」(ハヤカワepi文庫)

2021-08-17 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 西部劇とロードムービーの中間に位置する作品、と評せば良いのか。もちろんカウボーイはいるものの、人々の移動の手段は完全に車となっている1950年代末期。いくらテキサスと言えども時代錯誤の感ありありの主人公は、どこか社会に馴染めない16歳の少年とその友人。

 二人は家を出、愛馬に跨ってこれまでの生活を、祖国を捨ててメキシコに向かう(彼等の住む町は、テキサスでもメキシコまで数百キロと言う比較的近い場所に設定されている)。モノもカネもロクに持たないが故、かなりの苦労をしながらそれでも彼らは国境を越え、メキシコの牧場で働き始めるが、その生活は長くは続かなかった…

 冒険譚と言えばそうだが、根底にあるのは生家への、アメリカ社会への絶望感か諦念感。なので、ハラハラするがワクワクしない。ええ加減にせぇよとすら思うのは、こちらが老いているからか。普通なら自由やチャンスを求めメキシコからアメリカへ違法越境するのだろうが、それとは逆方向なのがユニーク。

 悲劇的な結末、と言うほどではないが、これから先の少年の人生が大きく、彼の望むままに展開する希望を持つには程遠い終わり方が、やるせない閉塞感を覚えさせる。

 2021年8月3日 自宅にて読了
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【本】下川裕治・室橋裕和/編著 「おとなの青春旅行」(講談社現代新書)

2021-08-17 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 本書は、下川さんの旅日記ではなく、彼と室橋さんの提案する「単なる観光旅行から一歩踏み込んだ旅」のスタイル紹介と、幾つものモデルコース。

 観光が悪いと言ってるのではなく、観光をした上で、ちょっと違う町まで足を踏み入れてみましょうとか、旅する人の興味に合わせた目的地を選びませんかとか、そういう類の話。挙げられているテーマが自分に合わなくても、その切り口だとそういうルートがあるのかなどと思る。以前ならそう思えず読み飛ばしていたと思うのだが、どういう心境の変化だろう(笑)。

 旅に関する本をことごとく読んでるわけではないのだが、自分の切り口って結構ユニークなのかもしれないと、最近になって思うようになってきた。何を今更、ですかね。

 2021年7月31日 岐阜へ向かう普通列車にて読了
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2021年7月31~8月1日 【旅行】青春18きっぷで下呂温泉あたり

2021-08-16 20:00:00 | 旅行・ハイク&ウォーク
 現在営業する日本ユースホステル協会加入YHで、唯一泊まっていない宿が岐阜の下呂温泉近くにあり、久しぶりに「青春18きっぷ」を使い、読書を楽しみながら行ってみることにした。ノイズキャンセリングイヤホンが強力な味方である。

1)東京0520→沼津0726
 E231系、グリーン車(リクライニングシート)利用。
 国府津で御殿場回り静岡行き(後2両転クロ車)に好接続する。
 沼津での乗換はホーム移動、5号車前扉がベスト。
2)沼津0730→静岡0816(ホームライナー静岡)
 特急型373系、回転式クロスシート。現在は全車自由席で運転。
 ライナー券は車内で購入可。ガラガラ。
 静岡での乗換はホーム対面。
3)静岡0818→浜松0933
 211系、ロングシート&WC無の極悪編成。
 浜松の乗換はホーム移動、1号車がベストだったか忘れた。
4)浜松0943→岐阜1134(特別快速)
 313系、転換式クロスシート。
 豊橋で飯田線通し列車岡谷行き(転クロ車)に好接続する。
 名古屋手前より立ち客多数。名古屋で一気に空いた。
 名古屋で快速中津川行き(転クロ車)に好接続する。
 岐阜の乗換はホーム移動、焦る必要なし。
 そのまま乗車し大垣、米原と転クロ車を乗り継いで姫路まで行ける。
5)岐阜1145→下呂1355
 キハ25系、転換式クロスシート。
 そのまま乗車し高山、猪谷と乗り継いで富山まで行ける。

 「ホームライナー」と「特別快速」を組み込み、ロングシート区間を最低限としたこの乗り継ぎは、東海道線下り方面の最強パターンかもしれない。身延線以外は支線への乗り継ぎも良い。冬の18きっぷで、また使ってみようかな。その時は暗闇の中のスタートだ。

 温泉で有名な下呂は初めての下車、「温泉寺」「下呂発温泉博物館」「白鷺の湯(写真)」と見て浸かって、駅に戻った。昭和の温泉町、もっと工夫が必要だと思う。

 高山線の上呂で下車して歩き、「赤かぶユースホステル」に投宿し、国内全YHの防衛達成。通算宿泊数は704となった。YH契約は新しいが、マネージャー夫妻はもともとYHで働いていた経験を持ち、国内の活動にも非常に詳しい。こちらがベテランホステラーと言うこともあり、夕食後は思い出話ウラ話いろいろ聴かせて頂き、大いに楽しんだ。食事、設備も素晴らしく、改めてゆっくり滞在したい宿だった。

 翌日は上呂→美濃太田→多治見→名古屋と普通列車を乗り継ぎ、JL208便(JA317J:737-800)で帰宅。普通列車で5時間半の東名間は、僅か42分のフライトだった。(おわり)

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2021年7月30日 緊急事態宣言は狼少年化

2021-08-16 06:00:00 | ノンジャンル
 4連休があったからね、一気に感染者増え始めたね。

 若年層が増えてるって、年寄りからワクチン打ってるんだから当たり前な気もするよね。

 「東京2020開催と感染拡大は関係ない、会場でクラスターなど発生していない」って主張する人もいるようだけど、詭弁だと思うね。確かにそれは事実。選手や関係者にもさほど大人数の感染者は見られない。でも肝心なことは、イベントを開催しちゃうってこと。それが国民に誤ったメッセージを送っているってことを消している。肯定も否定もしないそんな意見見解は無いものとしているんだから。

 もうね、ヤバい自粛しようって人は多くないと思うね。みな疲れちゃっただけじゃなく、呆れちゃったんだよ。
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【本】井出留美著 「食糧危機」(PHP新書)

2021-08-13 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 フードロス問題の第一人者である著者の、食糧自給率観点をメインとした書。フードロスが食材や料理の廃棄と、食糧の「出口」部分で発生する問題に対し、自給率は産地から日本市場に至る「入口」部分の問題なので、対照的な部分と言える。いずれにしろ食糧を扱っていると言うことで、著者の中では一貫性があるのだろう。

 ただ、読んでフードロス問題ほど明瞭な分析、鋭い指摘があれていないように感じた。自給率に関しては、他にも様々な著作があり目新しく感じないせいだろうか。

 入口にしろ出口にしろ、問題への対処は必要だと思う。食糧は戦略物資であり、倫理的問題である以前に国力を支える根幹の部分である認識が政府・国民とも十分ではないのではないか(それこそ平和ボケだ)。ま、だからと言って無尽蔵に補助金を出すようでも困るのだけれど。

 2021年7月29日 自宅にて読了
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【本】片岡恭子著 「棄国子女-転がる石という生き方-」(春秋社)

2021-08-13 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 日本を出て海外で暮らす(戻ってくるこないは別として)人で「なんとなく日本を出て」と言うタイプは少ないのではないか。よっぽど海外でやりたいことがあるか、よっぽど日本にいたくないか。その「よっぽど」が推進力となっているのではないか。

 母親の重度の抑圧から逃げるため日本を飛び出した著者は、世界でもとりわけ南米を中心に1年以上も過ごして帰国した。本書ではその生活の一部が綴られているが、何でこんなハードプレイばかりなんですかね。決して無知で無防備と言うタイプではなさそうなのに、強盗に遭ったり強烈な食中毒になったり、大怪我したり。やはり不幸体質ってあるんだろうか。

 東南アジアの日本人宿でのんべんだらり、の自堕落なスタイルばかりが長期バックパッカーの姿ではない。そんだけ苦労しても著者は南米が好きなんだろうか。どんだけ苦労しても日本の生活より楽しいんだろうか。まさに想像を絶する。

 読んでて不愉快になることはなかったが、トラブルを面白おかしく書いてるわけでもないので楽しむ悪趣味に走ることもなかった。こういう人もいるのだなあと驚いたと書くのが、収まりが良いか。

 2021年7月28日 自宅にて読了
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(Live) DEZOLVE

2021-08-12 20:00:00 | 音楽、ギター、カラオケ
北川翔也(gt)、友田ジュン(key)、山本真央樹(dr)、サポート/兼子拓真(ba)

 ベースが脱退して以来、オリジナル曲のライブでなくカバー曲中心のセッショ ンで活動を続けてきたDEZOLVE。本日も正確には「DEZOlive」と称しており、ベースが正式メンバーとして決まるまではこのタイトルが続くのかもしれない。機材トラブルでセッティングが遅れ、メンバーが音出しできたのは開店時刻を回ってから。そこから簡単なリハがあって客入れ、30分ほど遅れたかな?それでも演奏できるようになって良かったです。

 いざ始まればステージは正真正銘DEZOLVEのそれ、オリジナル曲のオンパレード。テンション上がってイイネ。最新作「Frontiers」収録曲を中心に、過去のアルバムからまんべんなく。サポートベーシストの兼子君、まだ22歳だそうだがDEZOLVEメンバーに認められただけあって素晴らしい腕前。PAのせいか速弾きの時の音の分離が気になったくらい。

 初めて行った店は縦に長く、指定された席は最後方だったためステージが遠く、壁のモニタ(これは親切装備)見ることもしばしば。先着順に前から割り当ててゆくようなので、予約は先手必勝だ。そうは言っても目黒B.A.J.などほどのキャパはないため、まだマシなほうかもしれない。

2021年7月28日 川口・SHOCK-ONにて
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【本】山本茂美著 「喜作新道-ある北アルプス哀史-」(朝日新聞社)

2021-08-12 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 多くの山ヤの憧れ、北アルプスの槍ヶ岳。そこへ至る、現在は「アルプス銀座」とも呼ばれているルートを開削した小林喜作氏の生涯と、その周辺の人々の様子を記した本。

 なぜタイトルに「哀史」と入っているかと言うと、後半は殆ど喜作親子の死(雪山の小屋で就寝中、雪崩で小屋が押しつぶされ圧死とされている)について「本当に事故死だったのか?」と言う謎解きに費やされているほか、その他の腕の立つ猟師も割と気の毒な人生の終わり方だった例が続くからか。

 猟師として腕が立つだけでなく獲物の売り方、山小屋の開設とそこに至る登山道の開削と、商才すぐれた喜作は羨まれ、妬まれたという。人徳がないと言うより、うまく立ち回れなかった(そうしなかった)のだろう。がめつさが過ぎたのかもしれない。

 いまアルプス銀座を歩く登山者で、この経緯を知ってる人はどれくらいいるだろうか。ネットで周辺の登山ルートを見ながら、そう思った。残念ながら自分は、たぶん歩くことはないだろうな。

 2021年7月27日 自宅にて読了
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【映画】サイダーのように言葉が湧き上がる 【LIVE ZOUND×RGBレーザー】

2021-08-11 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 2020年5月に公開予定だった作品が、新型コロナの影響で遅れに遅れ2021年夏の公開。それにしても遅すぎね?きっと「夏物語」なんで、シーズン到来を待ったのだろうね。

 コミュ障の少年と、コンプレックスを抱えた少女の出会いから、それぞれが悩みを克服するまでのエピソードを描く。取り巻く連中を含めよい印象は持たないが、等身大と言うか現実に居そうなタイプなのかもしれない。二人を近づけるのは俳句であり、俳諧ならぬ徘徊気味のお年寄り。およそデイケアとか縁も関心も無さそうな連中が親切に介護やレクをする姿は、人を画外見で判断しちゃいけないと戒められているようでもあり、さすが絵空事と思ったり。

 空の、特に雲の描き方が独特。しっかりとした線で、はっきりと色合いを分ける。鈴木英人の絵を思い出した。ポップな劇中曲は若々しさに溢れている。ところがヤマ場では対照的なフォークソング、おじさんホイホイ。

 良く言えば瑞々しく、厳しく書けば底が浅くてご都合主義、どちらの側に立つかは観る人次第かな。

 2021年7月26日 川崎・チネチッタにて
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2021年7月25日 【バイク】YBR125(FI#2)にスロットルアシスト装着

2021-08-11 06:00:00 | バイク・自転車
 長時間のツーリングのお助けアイテムの一つ、スロットルアシストなる製品を少し前に勝っていたが、本日ようやく取り付けた。昨夏の北海道とか、年末年始の関西とか、何で着けてなかったんですかね?

 ヘラみたいな形で、掌で押し下げることでスロットルを捻る力を軽減するというもの。寒い時期に着けようとすると、プラスチックが硬化しておりバキッと逝っちゃうケースもあるらしいが、この炎暑では問題なく。うまく出来ているもので、スロットルを閉じる方向にしか位置調節のための回転はしない。

 実は長時間運転でスロットルを捻りっぱなしのため手首が痛くなったなんて経験はなく、本品がどれだけ役に立つのか判らない。まあ300円しなかったし、お試しで良いんじゃない?ちょっと走ってみて、最適なポジションを決めよう。開閉の多い街乗りではかえって邪魔と言う意見もある。
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