船戸与一に続いて読んだ早大探検部OB作家の本の解説を、その船戸与一が書いている偶然。
本作は著者の比較的初期の作品であるが、「自身の背骨となる作品」と自負している通り、ある意味ばかばかしい企画的な探検物とは一線を画す、極めて学術的価値の高そうな内容に思えた。と言ってもきちんとした統計を取ったり寸法を測ったりしているわけではないが、ともかく外国人どころかビルマ人でも部外者は足を踏みれられない、独立志向の強い自治州の、その中でも辺鄙な村に数か月も住んだ記録。
文字通り何もないような村で起こるドタバタ、個性豊かな住民たち、軍や役人との微妙な関係など、読んでいて飽きないが呆れる。よくぞここまで…と。巻頭の地図から位置関係を掴みやすく、それだけに奥地であることが実感できる。
本書が書かれ既に四半世紀が過ぎ、その間に滞在先であるビルマの情勢は大きく変わった。それも普通に考えればひどく悪い方に。そもそもあとがきを書いた時点ですでに、著者の滞在した村への外国人の再訪はまず叶わぬものとなってしまっており、それは今や国自体への訪問も二の足を踏まざるを得ない状況にある。昔話となったのか、ベールに包まれてしまったが村は今でもさほど変わらぬ姿を保っているのか。一番気にしているのは、他ならぬ著者自身だろう。
2022年2月6日 自宅にて読了
本作は著者の比較的初期の作品であるが、「自身の背骨となる作品」と自負している通り、ある意味ばかばかしい企画的な探検物とは一線を画す、極めて学術的価値の高そうな内容に思えた。と言ってもきちんとした統計を取ったり寸法を測ったりしているわけではないが、ともかく外国人どころかビルマ人でも部外者は足を踏みれられない、独立志向の強い自治州の、その中でも辺鄙な村に数か月も住んだ記録。
文字通り何もないような村で起こるドタバタ、個性豊かな住民たち、軍や役人との微妙な関係など、読んでいて飽きないが呆れる。よくぞここまで…と。巻頭の地図から位置関係を掴みやすく、それだけに奥地であることが実感できる。
本書が書かれ既に四半世紀が過ぎ、その間に滞在先であるビルマの情勢は大きく変わった。それも普通に考えればひどく悪い方に。そもそもあとがきを書いた時点ですでに、著者の滞在した村への外国人の再訪はまず叶わぬものとなってしまっており、それは今や国自体への訪問も二の足を踏まざるを得ない状況にある。昔話となったのか、ベールに包まれてしまったが村は今でもさほど変わらぬ姿を保っているのか。一番気にしているのは、他ならぬ著者自身だろう。
2022年2月6日 自宅にて読了