【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「イマドキの野生動物 人間なんて怖くない 写真ルポ」宮崎学

2012年06月23日 20時15分13秒 | 読書(写真エッセイ)


「イマドキの野生動物 人間なんて怖くない 写真ルポ」宮崎学

宮崎学さんの新刊。
出版社は農山漁村文化協会。
マイナーな出版社だからという訳じゃないけど、図書館に入荷しないだろうな、と思って取り寄せて購入した。
現在の環境問題、獣害問題を考える際の、テキストともいうべき作品、と思う。

P62
いつから日本人は、人間社会を自然と切り離して考えるようになったのだろう。先人たちは、田畑が動物たちの餌場であることを、つまり人間が土地を独占などできないことを、充分すぎるほど理解していた。だからこそ、収穫期には小屋で寝ずの番をしたり、猪鹿追いをしたり、猪垣をつくったりと、さまざまな対策を日常的に講じていたのである。
現在の獣害問題を考えたとき、いちばん欠けているのは、私たちが自然に囲まれて生活しているという、この当たり前の共通認識ではないか。

P95
かつて日本人は人里で犬を飼い、犬に周囲の危険を察知させていた。サルなどは縄文時代からその犬に追い回されていたから、「犬猿の仲」になっていたのだ。
ところが数十年前から、犬は放し飼いを禁止され、鎖に繋がれている。サルはもう犬に追われる心配がないことをちゃんと読み抜いて、近年はとかく傍若無人になってきたわけだ。

【おまけ】
クラックスに電車で行く時、私は豊津から川沿いを歩いて行く。
川の名前は糸田川と言うらしい。
昨年末、その糸田川でネズミの親方のような動物をみたことがある。
この本のP49に登場する「ヌートリア」ではないか、と思う。
本の説明によると、土手にトンネルの巣を掘って生活したりするそうだ。
警戒心の強い動物で、あまり人目につかないよう行動するようだ。
クラックス常連の方、どうなんでしょう?

【ネット上の紹介】
大胆不敵、傍若無人…いったいなぜ動物たちはこれほど大胆な行動をとるようになったのか。
[目次]
1章 変わりゆく動物地図―自然環境の変化を受けて(ノウサギ盛衰記;「幻の動物」はいま ほか);2章 外来動物、勢力拡大中―日本の自然に溶け込む(空飛ぶハクビシン;マングースに土日はない ほか);3章 現代の山の幸―「餌づけ」って何?(田畑に集う動物たち;フルーツ天国 ほか);4章 人間なんて怖くない―人慣れした新世代動物(傍若無人なサル;トラクターに群れるアマサギ ほか);5章 サインを読みとくヒント―野生動物と向き合うために(「松枯れ」というサイン;足跡で読む動物の心理 ほか)