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「続・竹林はるか遠く―兄と姉とヨーコの戦後物語」カワシマ・ワトキンズ,ヨーコ

2015年05月03日 21時15分27秒 | 読書(昭和史/平成史)

続・竹林はるか遠く―兄と姉とヨーコの戦後物語 
「続・竹林はるか遠く―兄と姉とヨーコの戦後物語」カワシマ・ワトキンズ,ヨーコ/著&監訳 都竹恵子/訳

以前、「竹林はるか遠く」を紹介した。
本作品は、その続編。
どれほど待ちわびたことだろう。
ついに刊行、である。

前作に劣らず素晴らしい内容。
続編で「薄味」を心配している方・・・心配無用。
今回も「買い」でしょう。

波瀾万丈、疾風怒濤の引き揚げが展開された前作。
今回は地味でひっそりした日常が描かれる、と思っていた。
予想を覆す内容。
どこまでも、嵐を呼ぶ兄妹、である。
なんと、殺人事件が起きて、犯人の疑いをかけられる。
学校では壮絶ないじめにもあう。
進退窮まるような状況の中、お互い助け合い、
親切な人にも出会い、生き抜いていく。

2年前「竹林はるか遠く」を読んだ方は、ぜひ読んでみて。
正編を読んでいない方は、正続、一気読みの楽しみが待っている。
自信を持って薦める作品。

【おまけ】
土曜日は、仕事だったので、日曜に買いに行った。
(ハイキングしている場合じゃない)
(クライミング練習も延期)
小さな書店では(たぶん)置いていないだろう。
紀伊國屋高槻店まで足を運ぶことになりそう。
とりあえず、JR京都線に乗る前に、駅前のアミーゴへ。
「この本ありますか?」、と私。
「取り寄せになります」、と店員さん。
「じゃあ、けっこうです」
仕方ない、高槻まで行くか・・・。
でも、念のためにダイエーの中にある田村書店へ。
「この本ありますか?」と情報をプリントした紙を見せる。
「あります」、と店員さん。
「おぉ・・・よく置いてますね!」、と思わず本音をつぶやく私。
確かに3冊あった。
これは、仕入れ担当者が偉いのか、問屋の担当者が偉いのか?
田村書店は、「あまねく神竜住まう国」も、発売してすぐ置いていたことがある。(ソッコー購入)
侮れない書店である。

PS
今回も、都竹恵子さんの訳は読みやすく、自然な感じで良かった。
読んでいて、翻訳、という印象を受けなかった。

【参考リンク】
「竹林はるか遠く 日本人少女ヨーコの戦争体験記」ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ

【ネット上の紹介】
70年前―。朝鮮半島引き揚げ者、13歳の少女ヨーコ。終戦直後の日本での貧困、濡れ衣、いじめ。想像を超える苦難を兄妹3人で生き抜いた。27年の時を超えて邦訳出版された前著「竹林はるか遠く」とともに刊行が熱望されていた続編。Best Book優秀図書選定。

[目次]
第1部(一緒になれて
火事だぁ!
引っ越し
病院で

とがめられて
学校で
乱れた道徳
警察の鑑識課にて
腕時計紛失
ついに解決)
第2部(お父様は殺されてしまったの?

大晦日
絹糸
橋の下の掘っ立て小屋
湊さん夫婦と共に)
第3部(二十か月―ある秋の日)