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「最貧困女子」鈴木大介

2015年05月11日 21時19分49秒 | 読書(風俗/社会/貧困)


「最貧困女子」鈴木大介

2015年「新書大賞」5位。
「貧困」がテーマ。
気になっていたので読んでみた。

読んで驚く。
これが「福祉国家」日本の現状なのか?!、と。
「生かさぬよう、殺さぬよう」という言葉が思い浮かぶ。
「健康で文化的な生活」とほど遠い世界。
日本アンダーワールド、である。

貧困とは何か?・・・「三つの無縁」「三つの障害」から貧困に陥る
P10-11
三つの無縁とは、「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」
三つの障害とは、「精神障害・発達障害・知的障害」

P94
「最初の人は、値切られて5000円だった。出会い系って言っても、いろいろの人がいるよ。身の上とか子供のこと話したら黙って3万くれた人もいたし。変なクスリ飲まされて縛られて、寝ている間に中だしされたこともあるし、殴ったり蹴られたりしたことは数え切れないぐらいある。私、可愛くないからね」

P128
AVのモデルプロダクション社長に、こうした障害のあるAV嬢というのは結構な数がいるのかと聞いたところ、「いわゆる三大NGの現場(ハードSM、アナル、スカトロ)にいる。特にスカトロのAVに出ている女優の半数は知的障害だ」という回答があった。

PS
読んでいて気が滅入ってくる。
感情移入しすぎると鬱になりそうだ。

【参考リンク】
鈴木大介『最貧困女子』

【ネット上の紹介】
働く単身女性の3分の1が年収114万円未満。中でも10~20代女性を特に「貧困女子」と呼んでいる。しかし、さらに目も当てられないような地獄でもがき苦しむ女性たちがいる。それが、家族・地域・制度(社会保障制度)という三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない「最貧困女子」だ。可視化されにくい彼女らの抱えた苦しみや痛みを、最底辺フィールドワーカーが活写、問題をえぐり出す!

[目次]
第1章 貧困女子とプア充女子(貧困女子=小島涼美さん(23歳)の場合
「わたしは犬以下」 ほか)
第2章 貧困女子と最貧困女子の違い(「最貧困女子」は、セックスワークの底にいる
清原加奈さん(29歳)の場合 ほか)
第3章 最貧困少女と売春ワーク(なぜ家出少女たちは売春の世界に吸収されていくのか
「非行少女」から始まる ほか)
第4章 最貧困少女の可視化(ふんわり系美女の副業
地方週一デリヘル嬢 ほか)
第5章 彼女らの求めるもの(加賀麻衣さん(21歳)の場合
母親がケツもちで売春の勧め ほか)