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「梅原猛、日本仏教をゆく」梅原猛

2015年11月22日 20時20分12秒 | 読書(宗教)

朝日文庫<br> 梅原猛、日本仏教をゆく 
「梅原猛、日本仏教をゆく」梅原猛

梅原猛さんによる、日本仏教者列伝。
・・・その知識と思索に圧倒される。

P27
 弥生人が平地を占領して国をつくったとしたならば、土着の縄文人はどこへ逃げるか。それは当然山である。若き柳田国男が『遠野物語』で描いた、里人を驚嘆せしめる山人の文化はこのような山に逃げた縄文人の文化とみてよい。葛城山は『古事記』にあるように、大和に侵入した神武天皇の軍隊に対する粘り強い抵抗者の住む山であった。それが土蜘蛛とよばれ、胴体に対して手足が長い人間を指すといわれるが、自然人類学者の埴原和郎氏によると、縄文人は弥生人と比べて胴体が短く、手足が長かった古モンゴロイドに属する人間であるという。

P109
私は、法然が哲学者であったのに対して、親鸞は詩人であったと思う。

P175
イエスなくしてパウロはないが、パウロなくして今日のキリスト教はなかった。新約聖書にしても、そのもっとも重要な部分は四つのイエス伝と多くのパウロの手紙である。
 親鸞は東国で布教したが、その弟子はせいぜい数百にすぎなかった。しかし蓮如が死んだとき、浄土真宗の信者は数万、数十万に及んだ。(中略)
親鸞をイエス=キリストにたとえれば、蓮如はパウロにあたる。

P177
蓮如は85歳まで生きた
蓮如は5人の妻との間に27人の子をもうけたが、妻はいずれも前妻の死後に妻となったものであるといわれる。彼の死後、多くの子供たちも争いを起こすことなく、協力して真宗教団の発展を助けた。(絶倫もすごいが、相続争いのような事が起きなかったのも驚く・・・穏和な女性を選んで、子供の教育もしっかりした、ということか?絶倫と組織拡大能力の相関関係は?)

【ネット上の紹介】
日本人はなぜ仏教に惹かれるのか?聖徳太子、空海、親鸞、日蓮から西行、千利休、一休、良寛、宮沢賢治まで。42人の仏教者に日本人の心の歴史を探った、著者ならではの力作。週刊朝日百科「仏教を歩く」好評連載の単行本化。
1 仏教の伝来
2 神と仏の融合
3 仏教の革命
4 仏教と芸術
5 禅の展開
6 近代の仏教者