「白い標的 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄
シリーズ6作目。
南アルプス山岳救助隊の活躍を描く、書下ろし長編。
シリーズ・屈指の面白さ。
甲府市内で宝石強盗。
ところが、仲間割れ。
その1人が、宝石を持って北岳に登ってしまう。
それを追って、他の2人が北岳に入山する。
バットレスでは、1パーティが登攀をしていたが、途中で敗退。
降りる途中で事故を起こす。
またその時、単独行者の登山者が、北岳を登頂していた。
平行して進行していたストーリーが複合していく。
その手腕が見事。
夏実や静奈は、どの時点で、犯人と遭遇するのか?
メイやバロンは、どんな活躍を見せるのか?
今回は県警本部との合同捜査だが、夏実が積極的な発言をする。
そのあたりの意外な面を見たり、成長を感じる楽しみもある。
本シリーズ・ファンは必読。
【関連図書】
「天空の犬」樋口明雄
「レスキュードッグ・ストーリーズ 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄
【ネット上の紹介】
標高三一九三mを誇る、南アルプスの主峰にして日本第二位の高峰・北岳で活動する、山岳救助犬を有する南アルプス山岳救助隊、チームK-9。そこに所属する若き女性警察官・星野夏実と相棒の救助犬メイを中心に、仲間たちの活躍を描く人気シリーズ最新刊。甲府市の宝石店を襲撃し、三億七千万円相当の宝石を強奪した三人組の男は、所持した拳銃を躊躇なく発砲、死亡者を出しながら逃亡した。そんな犯人グループが、なぜか真冬の北岳に向かったことが判明する。夏実たち隊員は極寒の北岳に入り、危険な犯人を追走する――。