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「これは経費で落ちません」(4)青木祐子

2018年08月19日 19時39分20秒 | 読書(小説/日本)


「これは経費で落ちません」(4)青木祐子

シリーズ最新刊。
本作品が面白いのは、「こう言う奴、会社にいるよな」、ってキャラが多数登場すること。
オフィスあるある満載。
今回の特筆点は、経理部に新入社員(中途採用)美華が入ってくること。
なかなかクセのあるキャラだ。(面白い)

P28
美華は何を考えているのだ。言いたくても言わないほうがいい言葉というものはあるではないか。たとえ、みんなが考えていることであっても。
 入ったばかりの会社で、全方位にケンカを売ってどうするのだ。
 無理にフレンドリーになる必要はないが、信頼をなくしてはならない。嫌われるのは、親しくなりすぎるのと同じくらい始末が悪い。

P96
「ご意見承っておきます」
 沙名子は言った。
 いったい美華はどんな本を読んだのだ。経理部員が社内不倫の責任までとれるか。
 と言いたいところだが、今は生々しい義論はしたくない。

P226
「どうして決定的な失態をすると?」
「有本さんは頭が悪いからです。アンフェアです。あんなやり方が、社会に通じるわけがないです。彼女はどこかでつまずくはずです。そうじゃなきゃおかしい」
(中略)
 あちこちでつまずいているのは美華のほうではないか。マリナと美華、頭がいいのはどっちだ。正しければ勝つわけではないのなら、正しさに何の意味がある。

【ネット上の紹介】
経理部の新入社員・麻吹美華は、なんでも率直にものを言う。オブラートに包むということがない。おかげで波風立てずに会社員生活を送りたい沙名子は、気苦労が絶えない。私生活では太陽とつきあいはじめたものの、初めての恋愛にペースを乱され戸惑い気味。そんなときも、面倒事は遠慮などしてくれない。沙名子はよく知る社員同士の不倫現場を目撃してしまい…?