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家族なのにどうして

2021年04月04日 12時45分33秒 | TV/ドラマ

韓国ドラマ「家族なのにどうして」をU-NEXTで観た。
2014年作品、全79話、1話41-43分
出演:ユ・ドングン(父) キム・ヒョンジュ(長女)ユン・バク(長男)パク・ヒョンシク(次男)
脚本:カン・ウンギョン

「黄金の私の人生」「いとしのソヨン」以上のホームドラマは存在しない、と思っていた。
本作品は、「黄金の私の人生」に匹敵する正統派ホームドラマだ。
日本では、この手の作品は、もう作られていないように思う。
復讐譚やサクセス・ストーリーがあっても、ホームドラマの需要がないのかも?
創作できる脚本家もいないのかも?

大家族に起きる悲喜劇、日常騒動を描いている。
昔気質の父、長女、長男、次男。父の妹、つまり、子どもから見ると叔母さんとその娘夫婦も同居。父は豆腐屋を営んでいる。(母は亡くなっていて、叔母さんが母代わりとなってくれた)
長女37歳は大企業の秘書室長、長男29歳は大病院の外科医、次男26歳はフリーター。
子どもたちは既に大きくなっており、父親を顧みない。
そんな日常が続くかと思われたが、第1話で、若い娘=カン・ソウルがすごい田舎である洪城(ホンソン)から、この一家の住む都会の下町へやって来ることから、バランスがくずれ、物語が動き出す。

#11=叔母さんの台詞
「ラブストーリーでは誤解と葛藤が交錯するの」
(この叔母さん=スングムは崇仁洞(スンインドウ)の自称・恋愛博士)

#22、23では、婚前契約書でもめる

#26=叔母さんの台詞
「朝からせっかく作ったのに 60過ぎの私をこき使っておいて何よ お膳をひっくり返してやろうかしら」(崇仁洞の星一徹か)

#35=父・スンボンが親不孝訴訟を起こす
#37=父から判事へ依頼
「人生に感謝することを教えませんでした(中略)人生で最後のお仕置きです このお仕置きが子どもたちへの贈り物となるようお助け下さい」

#55=叔母さんの台詞
「悪気なく投げた石でもカエルは死ぬ」

#56=叔母さんの台詞
「愛に完成形なんてないよ 結婚が愛の完成形なら誰も離婚なんてしない」

#56
悪妻は孝行息子に勝る

#61
Sex and the City のエピソード・パロディが出てくる・・・脚本家はしっかり米ドラマもチェックしている

【感想】
ホームドラマの決定版を観たいなら、本作品(全79話)はおすすめ。
もう少しドラマチックな展開が好みなら、「黄金の私の人生」全52話、「いとしのソヨン」全50話。(「家族なのにどうして」は、タイトルはさえないし、「黄金の私の人生」のようなドラマチックな要素もないのに、「面白さ」が全79話を一気に駆け抜けてる印象をもった。これだけ長いのに中だるみがない・・・とりあえず1話観てみて)以上、いずれもハズレなし。

PS
どうしても時間がなくて、もっと短くすませたいなら、「華麗なる遺産」全28話になる。
いずれも、テーマ=「家族」だ。(出来るなら、全て観てみてほしい、と思う)

【追加感想】
この物語に、必要以上に感情移入してしまうのは、舞台となる下町・崇仁洞に「昭和」を感じるからだろう。なんとなく、NHK「ひよっこ」の舞台、集団就職してくる東京下町を想起した。(役柄として、田舎から出てきて、周囲を巻き込んでいくと言う意味で、有村架純とナム・ジヒョンが少しダブる)
誤解しないよう追記しておくと、本作は群像劇なので、家族全員を丁寧に描いている。それでも、強弱はでるもので、KBS演技大賞 最優秀演技賞を受賞したのはキム・ヒョンジュ・・・たしかに巧かった。先日観た「私たちが出会った奇跡」(2018年)の ソン・ヘジン役の演技もよかった。