「神のひき臼」櫻部由美子
シリーズ2作目。
少しのファンタジー色を加味した時代小説の佳編。
1作目もよかったけど、さらに面白く楽しい仕上がり。
P146
乞胸とは、寺社の境内や空き地なので、芸を見せて世渡りする人々の総称である。町人としての身分を認められてはいるが、物乞いと同列に扱われることもある家業だった。
P214
そもそも〈うわなり〉とは、光源氏のような男が複数の妻をもっていた時代、先妻のあとから迎えた後妻をさして言った言葉である。それから時代が下り、先妻が一族の女たちを頼んで、憎い後妻の家へ押しかける風習が〈うわなり打ち〉と呼ばれた。→「山桜記」葉室麟
【関連図書】
「くら姫 出直し神社たね銭貸し」櫻部由美子
【ネット上の紹介】
人生に行き詰まり、やり直したいと願う人々が、縁起の良い“たね銭”を授かりに訪れる“出直し神社”。神社を守るのは、うしろ戸の婆と呼ばれる老女。不器量だが働き者の娘・おけいがその手伝いをしている。ある日、赤ん坊を背負った千代という少女が神社に迷い込んできた。お千代は婆に促され、搗き米屋のおかみである母の、度が過ぎる吝嗇ぶりに家じゅうが悩まされていると打ち明ける。手習い処に通いたいお千代が子守りに縛られずにすむよう、おけいは女中として搗き米屋に住みこむことになったが…!?抜群の読み応え、シリーズ第二作!