「妖しい刀」櫻部由美子
シリーズ3作目。
P153
因縁のはじまりは、神君家康公の祖父にあたる松平清康公を殺害した刀が村正銘だったことだ。続いて父・広忠公の命を奪った刀も村正の手になるものだった。その後、嫡子である信康公が切腹した際の介錯に使われたのが村正で、家康自身も少年のころに村正の短刀で怪我をしたとされている。
P276
「神農とは、はるか大昔の唐国を治めたとされる皇帝の1人で、医薬の神としても知られている。まだこの世に医術というものがなかったころ、神農は己のまわりにあるすべてのものを口に入れ、食べられるか、食べられないか、薬になるか、毒になるか、身をもって試したそうだ。見よ、常人でない証に角が生えておろう」
【ネット上の紹介】
「一刻も早く相手の女を呪ってくださいまし」。人生の仕切り直しを願う人々が訪れる“出直し神社”に、穏やかでない願いを訴える者が訪れた。袋物問屋・茜屋のお松と名乗る女は、店主で夫の茂兵衛が伯父から相続した家に入り浸るようになり、女を呼び入れているに違いないと言う。その家には大黒さまが化けて出るとの噂もある。うしろ戸の婆はお松に、まずは浮気を確かめよと、神社の手伝いをしている少女・おけいを連れていくように言い…。流行り病に人殺し事件と、大忙し。抜群の読み応えと大好評のシリーズ、第三作。