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「赤ずきんの秘密 新版」アラン・ダンダス/編

2023年09月25日 08時43分29秒 | 読書(ノンフィクション)


「赤ずきんの秘密 新版」アラン・ダンダス/編

シンデレラ同様、赤ずきんの話は世界中にある。
代表的なのはペロー版とグリム版。
ずきんを赤くしたのはペローから。
(シンデレラにガラスの靴をはかせたのもペロー)

グリム版も、赤い帽子をかぶっている。
でも、エンディングが異なる。
ペロー版は食べられておしまい。
グリム版は漁師が赤ずきんを助け出してハッピーエンド。

P159
18世紀のフランスやドイツの作家は作家は皆、赤ずきんは自分から狼に話しかけ、自分が誘惑されレイプされるよう自ら仕向けたその「罪」のせいで罰せられたのだと理解していたのである。
赤ずきんを食べたり飲み込んだりするのは明らかに性的な行為であり、制し難い欲望や秩序に従わない自然を象徴的に示すものである。

P185
ペローが、同時代の作家と同じく、その有名な話を書くにあたって、子供向けというふうに対象を限定するのではなくて、同時に、あるいはむしろ主な対象として自分の友人仲間を考え、彼らを喜ばそうとした、ということは明白である。(グリムは子どもを読者に想定した。エンディングの違いは、このため、と思われる)

【ネット上の紹介】
赤い色のずきん、またはケープを身にまとい、祖母のところへ食べ物と飲物を入れた篭を持ってお見舞いに行く小さな女の子の話―「赤ずきん」は「シンデレラ」や「白雪姫」と並び、日本でもよく知られている外国の民話だ。なかでも有名なのはグリム童話の「赤ずきん」だが、実際にはグリム兄弟に先立つペロー版をはじめ、ヨーロッパのみならずアジアにまで多くの異話が分布している。その語り口や話の筋も、さまざまな変遷を経ており、多くの謎が秘められている。本書ではこうしたさまざまな「赤ずきん」像を紹介、実証科学的に考察するとともに、「赤ずきん」の解釈をめぐる多様なアプローチの12篇を収録した。
赤ずきんちゃん
小さな赤帽子
おばあさんの話
虎姑婆
「赤ずきん」は神話か?
赤ずきん―小さな五月祭の女王
赤ずきんは自由の帽子をかぶっているのであろうか―ティークとグリムの場合に想定されている意味合いについて
男性による創造、投影としての「赤ずきん」
「児童期」観と子供の民話―テストケースとしての「赤ずきん」
昔話と夢―「赤ずきん」の話をめぐって
赤ずきんと思春期の少女
「赤ずきん」の精神分析学的な解釈