「大奥づとめ」永井紗耶子
久しぶりの読み返し。
P7
物を知らぬ私にとっては、上様の御目に留まり、御手付きになり、いずれは子を産んで側室となることと思っておりました。
しかし、大奥の内側に入ってみますと、その考えは何やら違っていたのではないかと思うようになりました。何せ、数百もいる女たちの中で、御側室はほんの一部。それ以外の女たちの方が多いのです。
P167
名の宇江に「お」を添えて呼ばれる名のことを「おの字名」と申します。お役が重くなると、「初瀬」「音羽」「矢島」などといった「三文字名」という名に変わるのが習わしでございました。またその名は役職によって受け継がれるもの。
【感想】
「くれなゐの女」の夕顔さんは2度登場する。
名前をお正と改め御三の間に昇進。
「ちょぼくれの女」で登場し舞を披露する。
印象に残るキャラだ。
日本は中国の制度を参考にしている。
でも、マネをしなかったこともある。
中国歴史を読んでいると、やり過ぎ、って感じるときがある。
宦官、纏足も日本では普及しなかった。
【参考図書】
大奥を舞台にした作品で「大奥の座敷童子」がある。
こちらも面白かった。
【ネット上の紹介】
女の道は、つとめをきわめることなり―。己を磨きたて、美しく着飾り、上様の目にとまって寵愛を受け、子を授かる―。それこそが本望とされてきた大奥。だが、「汚れたかた」と呼ばれたお手つきとは対照的に、色恋はそっちのけで、仕事に生きた「お清」がいた。着物の善し悪しもわからぬまま、衣装係を命じられた女。苦にしていた巨体を役立てる職を見つけた女。文書係から代表役へと、出世街道を目指す女。大奥に“就職”した女たちの情熱と苦楽を描く連作時代短編集。