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「平安ガールフレンズ」酒井順子

2020年12月25日 08時56分02秒 | 読書(古典)
「平安ガールフレンズ」酒井順子
 
平安文学を対象とした古典エッセイ。
取り上げられているのは、次の5人。
 
清少納言
紫式部
藤原道綱母
菅原孝標女
和泉式部 
 
P43
『枕草子』は、そんな彼女のリア充アピールの舞台でした。自身の知性やウィット、そしてモテっぷりを披露し、「いいね!」と言ってもらえることに彼女は無上の快感を見出しており、その快感は貴公子と「する」ことと天秤にかけてみても、手放したくないものだった。
 そして、そんなリア充アピールが激しい清少納言をイライラしながら見ている女性が平安貴族の中に1人いて、それが紫式部です。
 
P60
やはり紫式部は、自分もまた「自慢したい、褒められたい」という強い承認欲求を持っていたからこそ、清少納言のことをあれほどまでに責めたのでしょう。
 
P203
並の女性には手の届かないモテと才能に、和泉式部は恵まれました。その代償として、様々な不幸をも引き受けていたからこそ、彼女は「女に嫌われる女」にはならなかったのだと私は思います。モテと不幸、両方をブレンドして発酵・熟成させ、歌として生み出していった彼女の人生が含むしっとりとした湿り気は、今の世となってもまだ、乾くことはないのでした。

【関連図書】
女性と民間伝承

【ネット上の紹介】
誰とガールズトークしてみたい?「あるある」の元祖、女子に人気のリア充清少納言。ねっとり濃厚な性質、内に秘めるタイプ紫式部。負けず嫌いな“出家してやる詐欺”美女藤原道綱母。平安の“中二病”夢みる物語オタク菅原孝標女。モテと才能に恵まれるも、なぜか不幸体質和泉式部。千年前と今とをつなぐ古典エッセイ。
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