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「キリスト教でたどるアメリカ史」森本あんり

2024年08月16日 07時14分09秒 | 読書(宗教)

「キリスト教でたどるアメリカ史」森本あんり
 
P20
16世紀の覇者スペインは、キリスト教世界の威信をかけてオスマン帝国と戦い、カトリックの大義を掲げてオランダの反乱勢力と戦い、ヨーロッパの覇権を求めてフランスと戦ううちに、国力を使い果たしていった。

P97
19世紀に入ると、ヨーロッパでの産業革命の進行とジャガイモの不作で貧窮した移民が大量にアメリカに流入し、彼らの持ち込むカトリック信仰が次第に批判の標的とされるようになる。「ネイティヴィズム」(Nativism)と呼ばれる排斥運動は、この頃始まったものである。
 
 
P182
「ファンダメンタリズム」は、その後隆盛した「イスラム原理主義」との連想から、忌避される言葉となった。代わりに人々が自称として用いるようになったのが、広義に「プロテスタント」を意味する「福音派」(Evangelical)という呼称である。現代アメリカで使われる際の語感としては、聖書的な権威の尊重、贖罪と回心の重視、伝道への熱心などが共通して含意される。堕胎や同性婚などをめぐる見解は保守的で、特にこれらを議題とする人々を「宗教右派」と呼ぶこともある。
 
P219
アメリカ俗語では、クリスマスとイースターにだけ教会の礼拝に出席する人を「クリースター(Creasters)と呼ぶが、その数は年々増加している。

【ネット上の紹介】
アメリカがアメリカと「なってゆく」過程を知らずして、今日の実像を理解することはできない―。苦難の連続の建国前夜から陰謀論・反知性主義が渦巻く現代の混沌まで、彼の国を一貫して突き動かし、その寄る辺となってきた理念とは、まさしくキリスト教そのものであった。自由・寛容・狂信・傲慢…相反する両面を携えて、驀進する宗教国家の軌跡を一冊で通覧する。神学・宗教学の泰斗が記す、全く新しいアメリカ史。
「アメリカ」の始まり
ニューイングランドの建設
ピューリタンの信仰と生活
大覚醒
独立革命期
諸教会の伸展と変容
アンテベラム時代
新しい信仰の諸形態
南北戦争期
アメリカの膨張
二つの世界大戦
戦後から現代へ
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