「君の膵臓をたべたい」住野よる
衝撃的なタイトル。
カニバリズムの本ではない。
青春小説、高校生が主人公。
人気作品で、評判どおり面白かった。
一気読みでした。
偶然、主人公の少年は、クラスメイト・山内桜良が綴っていた、秘密の日記を拾う。
それが発端となり、少年と桜良の交流が始まる。
というか、桜良に振り回される日々。
断りたいが、出来ない・・・なぜなら、彼女の余命は、いくばくもないから。
P194-195
「あーあ、私も運がないな-」
「真実と挑戦?そうだね、でもゲームじゃなくても、もし僕が答えられるような質問だったら答えてあげるよ」
「いいの、ゲームの結果なんだから」
いったい彼女は何を訊こうとしていたのか?
いろいろ想定しながら読んだ。
この答えはP250に書かれている。
自分で読んでみて。
それにしても、何というか、萌え要素満載。
地味系、オタク系男子の妄想炸裂、と思われる。
おそらく、何年後かに『カルト系古典』となるべき作品・・・その生まれた瞬間を見たように思う。
【おまけ】
読んでいて、氷室冴子さんの「海がきこえる」を思いだした。
何が似ているかと言うと、少年が女性に振り回される、って設定。
女性をリードしたい、と思う男性とは逆に、
気の強い女性に振り回されたい、って願望の男性も少なからずいる。(私ではない、為念)
【ネット上の紹介】
偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。 病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!
「14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還」澤地久枝
満州での敗戦体験、引き揚げ記録。
澤地久枝さんは昭和5年9月3日生まれ。
昭和19年(1944)から昭和20年(1945)年にかけて、14歳であった。
敗戦から16歳寸前まで、2年間の記録である。
P11
戦争が終聞いた瞬間、「ああ、神風は吹かなかった」と真面目に思った。
P115
(半藤一利氏の文章からの引用)
敗北を予見したドイツ海軍デーニッツは、降伏の4ヶ月前から、水上艦艇の全部を、東部ドイツからの難民と将兵を西へ移送するために投入した。「ソ連軍の蹂躙から守るためである」と。(日本の参謀本部の対応とえらい違い、である。関東軍が真っ先に引き揚げて開拓民を置き去りにした)
P165-166
2.26事件のあと、内閣は農業移民を国策として決定した。その後、20年間に100万戸、一世帯当たり5人として500万人の移民を送りだす方針を決めている。「昭和」の時代を考えるとき、少女は「満州国」と「開拓団」の問題を考えずにいられない。
P170
「日僑俘」の「僑」は「かりずまいの」の意味。
【ネット上の紹介】
「昭和」を見つめ、一貫して戦争や国家を問うてきた著者の原点となったのは、一九四五年、十四歳での敗戦体験だった。家族と渡った満州・吉林。敗戦後の難民生活は一年に及ぶ。「棄民」ともいうべき壮絶な日々、そして一家での日本への引き揚げ…。十四歳という多感な少女が軍国少女となり、日に日に戦争に巻き込まれていく様を、自身の記憶と膨大な資料から丁寧に回顧し綴る。
[目次]
十四歳の少女
秘密
王道楽土
戸籍騰本
学徒動員・無炊飯
水曲柳開拓団
八月十五日・敗戦
いやな記憶
蟄居の日々
内戦下
旧陸軍兵舎
日本へ
「老後の資金がありません」垣谷美雨
最近、老後について、よく考える。
まぁ、考えても、解答は出ないのだけど。
でも、先立つものは必要。
このタイトルは、タイムリー。
P8
本来、こんな男は好みのタイプじゃなかった。しみじみとそう思うようになったのは、50歳を過ぎてからだ。(こんな不穏な告白から物語が始まる・・・この夫婦大丈夫か?)
P143
「そんなことないよ」
心にもない言葉がすらりと出る。
若い頃と違って、その場しのぎの言葉で取り繕うことができるようになった。だが、寛容を装うのがうまくなっただけで、心の中は年齢とともにどんどん狭量になっている。(実のところ、私もそうだ。年とともに、怒りっぽくなって、辛抱も利かなくなってきた)
途中で、義理の母を引き取って、一緒に生活することになる。
生活が苦しく、老後のお金も無くなってきて、姑と同居!大丈夫か?
ところが、その義母が個性的で愉快な婆さん。
この辺りから、物語は好転して楽しくなってくる。
久しぶりに、垣谷美雨作品を読んだが、面白かった。
初期の頃から知ってるが、登場人物に奥行きが出てきた。
即ち、進化している。
抜けた作品を読んでみようか、って気分になった。
【参考作品】
私の印象に残っているのは、「リセット」と「夫の彼女」、「あなたの人生、片づけます」も良かった。
【蛇足】
老後の資金は1人6000万円必要、と言われている。
実際のところ、そんなに必要なのだろうか?
1年の必要経費200万円×10年生きたとして=2000万円。
20年で4000万円。
住宅の維持費、市民税、固定資産税、病院代、交際費・・・考え出すと暗くなってくる。
税金の塊である車を処分したいけど、すると、足が無くなる。
高齢者ほど、車を必要とするのに。
近くにあってほしいもの・・・①病院②スーパー③図書館。
この3つがあれば、何とか、老後をしのげるか?
成仏する直前まで、自分の足でトイレに行く、という目標を設定している。
【小咄】
「4歳での成功 ーーお漏らしをしないこと。
11歳での成功ーー友だちを持つこと。
18歳での成功ーー車の免許を持つこと。
35歳での成功ーーお金を持つこと。
50歳での成功ーーお金を持つこと。
70歳での成功ーー車の免許を持つこと。
80歳での成功ーー友だちを持つこと。
85歳での成功ーーお漏らしをしないこと。
出典・・・『ベンジャミン・バトンーー数奇な人生』
【ネット上の紹介】
後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるというのだ。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?
川久保渓谷からポンポン山に登ってきた。
久しぶりに登ったが、しみじみ「良い山だなぁ」と感じた。
街から近い割に、山の深さも感じられる。
歴史のあるお寺もあって、厳かな雰囲気もある。
比叡山や愛宕山に匹敵すると思った。
(神峰山寺~本山寺までの道路が一般車両不可なら、もっとありがたい)
ここが出発点
川久保近くの道
ここが山頂
一部紅葉していた
【資料】
7:30 一番下の駐車場
8:30 川久保
10:15 山頂
12:00 駐車場戻り
・・・合計4時間半かかった
これが、川久保~水声の道~山頂~本山寺~神峰山寺なら4時間15分くらい?
神峰山寺~本山寺~山頂で往復なら3時間半くらい
一番時間の掛かるのは川久保尾根~山頂のコース
その時の都合と気分でコースを変えられるのも便利
関係ないけど、高速道路の工事は、来年H28の2月に終わりそう
キリシタン遺物史料館に車で行ってきた。
隠れキリシタンの里だけあって、ひっそりした場所にある。
(細い山道なので、このまま突っ込んで大丈夫か?と不安になった)
なぜ訪問したかと言うと、先日「みんな彗星を見ていた」を読んだから。
(長崎はムリだけど、大阪なら訪問可能だし)
せっかくなので、行ってみようか、と。
瀟洒で清廉な雰囲気を醸した建物(近くに駐車場あり)
館長さんが、DVDを放映してくれた(内容のある立派な映像だった)
帰りに、見山の郷に立ち寄って、花と土を購入
【豆知識】
フランシスコ・ザビエル肖像
教科書にも載っている有名な絵だけど、大阪の茨木市で発見されたのだ。(知ってた?)
故・東藤氏の母屋の屋根裏から出てきたそうだ。
“IHS”とあるのは、イエズス会のこと。