北のカナリアたち
2012年/日本
会話さえしないカナリアたち
総合
40点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
物語の舞台は1993年の北海道の離島である。父親の堀田久の伝で主人公の川島はるは小学校の教師として赴任してくるのであるが、実は同行してきた夫の川島行夫の病気療養という理由もあった。
親交を深めようと海辺で行われたバーベキューの最中に海に落ちた安藤結花を助けようと行夫が海に飛び込んだのであるが、結花は救助されたものの行夫は波にさらわれて溺死してしまう。謎として提示されるのは、その事故の時に、一緒にいたはずのはるがいなくなっていたことであり、他の男性といたところを藤本七重に見られていたはるは教師を辞めざるを得ないことになる。
やがて大人になった七重は自身も不倫の経験をしたことからはるの気持ちが分かるようになったと告白するのであるが、七重とはるは置かれている環境が違うと思う。はるの夫は脳腫瘍という不治の病を抱えており、それにも関わらず、「もう一日だけ待って」という謎の言葉で、警官の阿部英輔の崖からの飛び降り自殺を止めたことだけをきっかけにして不倫関係になるという展開は、阿部の不手際で殺された女子学生がはるの知り合いでもなく、細かな情景描写がない故になおさら同情できない。不倫というテーマは飲み屋を営む安藤結花の母親とそこへ通いつめる生島直樹の父親を介して、2人を苦しめることになるのであるが、そばにいるのに20年間言葉を交わさないという状況は、本作のもうひとつの謎として提示される、結花が崖から落ちた原因を、島を離れたはるが知らないことはともかく、その後も一緒に島にいたはずの生徒たちが結花に尋ねなかったことと同様に理解しにくい。特に直樹は行夫から今日出来ることは今日するということを教えられていたはずである。
それならばサスペンスとして見ることができるのかといえば、例えば、安藤結花がはるに鈴木信人から連絡はないのかと尋ねられた際に、「(連絡が)あれば分かるようにしてある」と答え、松田勇がはるに「何故信人は島に戻ってきたのだろうか」と訊かれてもはるは何も答えないのであるが、後に明らかになるように島に来る前にはるは信人から電話をもらい、はるが信人に島に来るように諭しており、後に全員で再会するのだから、はるは結花や勇には事実を隠す必要などないのである。
いつものように那須真知子の脚本は失敗していると思うが、ストーリーの不明確さが却って幸いして、クライマックスは意外と感動できるし、相変わらず木村大作の撮る映像は美しいが、警察を騙して6人を集めたはるの策士ぶりは不倫経験の過去も手伝って物語に合っていない。
遭難後、登山ツアー強行 旅行社、中止要請聞かず(朝日新聞) - goo ニュース
予想以上の大雪…アミューズトラベル社長が謝罪(読売新聞) - goo ニュース
中国河北省の万里の長城付近で5人が遭難し、日本人3人が死亡した事故で、アミューズ
トラベルの板井克己社長は、「すべては言い訳かもしれないが、予想以上の大雪だった」と
釈明しているが、そもそも緯度が日本の東北地方に位置する万里の長城に11月にツアーを
することが間違いで、せめて9月頃にしていれば雪の問題などなかったのである。ガイドは
まだ若く、救助された女性が59歳で、遭難した3人は60歳以上ということで、年齢による
体力の違いが生死の境目となっているのであるが、いわゆる“山男”や“山女”は山で
死ねれば本望なのかもしれないと、「ペルーとボリビアの12日間ツアー」が、観光庁が中止
を要請したにも関わらずキャンセルされずに強行されたことを見て思う次第である。