MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『希望の国』 30点

2012-11-18 22:10:28 | goo映画レビュー

希望の国

2012年/日本=イギリス=台湾

ネタバレ

希望という‘腫れ物’

総合★☆☆☆☆ 30

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 東日本大震災から数年後の長島県で大震災が起こり、県が誘致していた原発が爆発したことから、酪農を営む小野泰彦と妻の智恵子、一緒に暮らしていた息子の洋一とその妻のいずみの生活は一変してしまうのであるが、原発がテーマであるのだから余震が一度もないことをとやかく言うつもりはないとしても(ちなみに君塚良一監督の『遺体 明日への十日間』では4回の余震が描かれている)、かなり大きな地震に見舞われたはずの小野家の外観も内部も‘被災感’がほとんど感じられない。
 最も解せない点を挙げるならば、原発から半径20キロ圏内が警戒区域に指定され、きっちりと20キロ線上に杭を打たれるほど距離に厳密さを見せながら、他方では、お祭りが始まったと勘違いして家を抜け出した智恵子を、泰彦が車で探しまわり、いつの間にか雪上を歩いている智恵子は徒歩で短時間でどこまで行ったのか想像がつかない。
 ラストシーンも同様で、放射能恐怖症を患っているいずみが、洋一が運転する車から、着ていた防護服を脱ぎ捨てて、やがて岸辺で他の家族とくつろいでいる際に、洋一が持っているガイガーカウンターが放射能を探知するのであるが、例えば、彼らが原発から30キロなのか50キロなのか、どれほど離れた場所にいるのか分からないために、放射能に対する危機感が感じられず、オチとしては弱いのである。
 泰彦がライフルを持って牛舎に行き、30頭はいるはずの牛を銃殺するシーンにおいて、何故血まみれの牛舎を映し出さなかったのか疑問が残るが、それは私が先に『悪の教典』(三池崇史監督 2012年)を見てしまったためにインパクト不足を感じたためではあろうが、愛さえあれば洋一といずみのように生きていけるし、泰彦と智恵子のように心中も厭わないというアイロニーは良いとしても、やはり銃殺された智恵子を映さないという演出が、決して私が『悪の教典』に毒されているわけではなく、被災者の心情に配慮しているのだとするならば、「一歩一歩」腫物に触るように扱う、脆弱な「希望」に原発を廃炉に追い込むだけの力があるのか疑問を抱かざるを得ず、園子温監督の前作『ヒミズ』同様に同じ理由で失敗していると思う。


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飲酒の効能

2012-11-18 19:35:37 | Weblog

沖縄の海兵隊中尉が住居侵入、部屋に20代女性(読売新聞) - goo ニュース
「上半身裸」の沖縄米軍属、ナイフ所持…逮捕(読売新聞) - goo ニュース

 沖縄県警那覇署が18日に、酒に酔ってビル内の部屋に侵入したとして、住居侵入容疑で

現行犯逮捕した24歳の海兵隊中尉トーマス・チャンケットは宜野湾市の米軍普天間飛行場

所属だから日本に滞在する全米軍人を対象にした夜間外出禁止令(午後11時~午前5時)

に違反しているのであるが、沖縄県警石川署が17日に、折り畳みナイフ(刃渡り約9センチ)

を所持していたとして、銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した42歳のスティーブン・セピアン

は米軍属ということで夜間外出禁止令の対象外らしい。飛行場所属と軍所属では人物の

質に差があるという事なのかもしれないが、結局酒を飲んでしまうと差がなくなるのである。


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