MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『種まく旅人 ~くにうみの郷~』

2015-06-05 22:00:41 | goo映画レビュー

原題:『種まく旅人 ~くにうみの郷~』
監督:篠原哲雄
脚本:江良至/山室有紀子
撮影:阪本善尚
出演:栗山千明/豊原功補/三浦貴大/桐谷健太/谷村美月/音月桂/根岸季衣/山口いづみ
2015年/日本

 山と海を取り持つ「淡路人形」について

 一応『種まく旅人〜みのりの茶〜』(塩屋俊監督 2012年)の「続編」らしいのであるが、監督が代わったためなのか前作よりも本作の方が断然に良くなっている。農林水産省の地域調査官である主人公の神野恵子がタマネギ農家の四代目である豊島岳志と彼の弟で海苔の養殖場の従業員として働いている豊島渉の仲を取り持つ有様が、渉の恋人で淡路人形座で淡路人形浄瑠璃の昇格試験に臨んでいる麻衣が人形の右と左を受け持つ男性2人を支える様子とリンクしており、物語の構成が上手いと感じるのである。
 「きれいな海は痩せた海」という事実や「かいぼり」という、農家が灌漑用のため池の水を抜き、堆積した草木や土砂を取り除き海に流す作業の様子なども上手く描かれており、淡路島の歴史を知る上でも良質の映像と言える。
 神野が近所のスーパーで買い物をする際に「WAONで」と言って払うあからさまな宣伝もギャグとして面白いと思うが、栗山千明の前髪が不安定なところがどうも気になった。


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