MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『映画 ビリギャル』

2015-06-18 00:03:28 | goo映画レビュー

原題:『ビリギャル 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
監督:土井裕泰
脚本:橋本裕志
撮影:花村也寸志
出演:有村架純/伊藤淳史/野村周平/松井愛莉/大内田悠平/奥田こころ/吉田羊/田中哲司
2015年/日本

余計にならない程度の「お世話」の仕方について

 努力というものを改めて考えさせられる。それは「努力は必ず報われる」というような類の話ではなく、努力をするにはそれなりの環境が整わなければならないということで、本作でいうならば主人公の工藤さやかが努力出来た理由は理解のある母親のああちゃんの存在と塾講師の坪田義孝との出会いと、本田美果、香川真紀と岡崎結衣の3人の親友が敢えて身を引いてさやかが勉強できる環境を作ってくれたからこそなのである。つまり国も環境も全く違うが『あの日の声を探して』(ミシェル・アザナヴィシウス監督 2014年)と同じように出会う相手次第で人生は変わってしまうのである。
 しかしそれ以上に気になったことは男性陣の「余計なお世話」で、さやかの父親は2人の娘は放っておいて長男の将来に全力を傾けているのであるが、その過剰な介入が長男を精神的に追い込むことになるし、さやかの担任の西村隆はわざわざ坪田を呼び出して無駄なことは止めろと忠告する始末であるのだが、その坪田にしても受験当日に合格祈願の缶コーヒーを渡したことでさやかが腹痛を催し、結果的にさやかは慶応大学の文学部には合格しなかったのであり、このあたりのさじ加減は意外と難しいのではある。


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