原題:『Chappie』
監督:ニール・ブロムカンプ
脚本:ニール・ブロムカンプ/テリー・タッチェル
撮影:トレント・オパロック
出演:シャールト・コプリー/ヒュー・ジャックマン/デーヴ・パテール/シガニー・ウィーバー
2015年/アメリカ
年代が不鮮明なSF作品について
どうもストーリーの流れが上手く掴めない。冒頭でテレビ出演している専門家たちが「チャッピー」と名付けられたロボットの凄さを解説している様子が映し出され、それから18カ月前の出来事が描かれることになるのであるが、ラストでチャッピーとチャッピーから「メイカー(創造主)」と呼ばれるディオン・ウィルソンが「生き返る」ところまでは彼らの「意識の移植」という物語の設定通りである。しかし既に亡くなったヨーランディの「思い出」までが別のボディーに移植できてしまうと何でもありになってしまいストーリーの「強度」が保てなくなってしまうと思うのだが、チャッピーからマミーと呼ばれていたヨーランディが3Dプリンターによって精確に生前と同様にロボット化されるのを見た時、時代設定によっては既にそこまでテクノロジーが進化している可能性はあるものの、年代に関する言及が無いために一年半後の話なのかあるいはもっと経っているのかはっきりさせないまま終わってしまっており、SF映画としては致命的だと思う。それとも未解決な問題は全て続編に委ねられたのであろうか。