原題:『Jason Bourne』
監督:ポール・グリーングラス
脚本:ポール・グリーングラス/クリストファー・ラウズ
撮影:バリー・アクロイド
出演:マット・デイモン/ジュリア・スタイルズ/アリシア・ヴィキャンデル/トミー・リー・ジョーンズ
2016年/アメリカ
シンプルさを信条とする主人公について
確か主人公のジェイソン・ボーンの本名はデイヴィッド・ウェッブであり、彼の父親のリチャード・ウェッブはCIAの極秘プログラム「トレッドストーン計画」に関わったメンバーの一人だったが、息子が「殺人兵器」として雇われることを知り、その阻止を試みようとした矢先に爆破テロに遭遇して絶命してしまった1999年から17年越しでその首謀者であるロバート・デューイCIA長官に復讐を果たすというだけのストーリーをここまで膨らませて見せるというのはいつものシリーズらしい。
しかしラストは微妙で、車内のエドウィン・ラッセル情報長官とヘザー・リーの会話を盗聴していたジェイソン・ボーンは再び姿をくらましてしまう。最悪の場合ボーンを始末すると言ったリーの発言はCIAに全幅の信頼をおいていない彼女の方便のようにも聞こえるのであるが、それは続篇で明らかになるかもしれない。字幕の和訳が良くなかったのでエンディングテーマになっているモービー(Moby)の「エクストリーム・ウェイズ(Extreme Ways)」の和訳をしておきたい。
「Extreme Ways(Jason Bourne)」 Moby 日本語訳
とても困難な道のりが再び戻って来る
こんな危険な場所だとは思っていなかった
俺は再び新しいものなら何でも壊していった
かつて俺が持っていたもの全てを
俺は窓から全てを捨てて調子を取り戻した
俺が知っている困難な道のりは
俺の波の色を区切り
俺を完璧な色に染めるんだ
とても困難な道のりが俺を助ける
夜遅くなると助けてくれるんだ
俺が行った危険な場所はどこも一筋の光さえ見つからなかった
不潔な地下室
不愉快な騒音
汚い場所を通っていき
極限の世界に独り残される
そんなところを気に入ることがあったか?
俺はそんなことにおとなしく従っているつもりだった
人生においては何でも受け入れる場所がいつでもあるから
そんな時世界が崩壊したんだ
そんな時世界が崩壊した
究極の音が俺に語った
それが毎晩俺を眠りに誘った
俺から話すことは何もなかった
俺は光明を諦めることはなかった
目を閉じて自分の殻に閉じこもり
自分の世界を閉じて
俺を捕えようとするもの全てに対して決して心を開かなかった
俺は全てを閉ざさなければならなかったし
心を開いてはならなかった
余りにも多くのものが俺を傷つけようとするから
物事が多すぎると俺は盲目になってしまう
多くの場所で多くのものを見るとはそういうこと
心が受けた多くの傷
多くの人々の顔に
多くの汚れた物事で
おまえは何も信じられなくなる
俺はそんなことにおとなしく従っているつもりだった
人生においては何でも受け入れることがいつでも良いことだから
そんな時世界が崩壊したんだ
そんな時世界が崩壊した
いつものように
いつものように
Moby - Extreme Ways (Jason Bourne)