青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

時代を動かすエネルギー

2009年06月27日 21時19分26秒 | 日常

金曜日の事だが、我が家にほど近い場所を走る相模鉄道で、現在では珍しくなったストライキが行われました。
聞くところによると、相模鉄道株式会社が持ち株会社に移行し、新しく設立する(?)鉄道部門専業会社へ従業員を全員転籍させると言う方針を示した経営側に組合が激しく反発。交渉を続けたものの労使物別れにてストライキに突入した、と言う事らしい。

朝からスト突入ともなれば、自分の通勤事情にも間接的ながら影響が出るのではないか?と思い30分ほど早く家を出たのだが、なんのこたーない始発から6時20分にストは解除。こんな不景気の時代ですから、労働者の権利としてのストライキも正直理解を得にくい部分もあると思う。実際日々の生活に青息吐息の乗客としては、公共交通の職員と言う立場の労働者がストライキなんざ「いい御身分だなてめ~らは」としか映らないのかもしれない。ヘタレと言えばヘタレなストの結末はさほどの混乱もなく、自分が職場に無駄に早く着くだけと言う結果と相成りました。


 これは1973年(昭和48年)の映像。
繰り返される国鉄の労働組合による順法闘争(「安全を順守する」と言う名のもとに不必要な徐行や停止を繰り返し、意図的に列車を遅延させる行為)に業を煮やした乗客が、国鉄高崎線上尾駅で暴徒化。投石による列車破壊や駅舎への進入、売上金の強奪なんかもあったらしいのだな。俗に「上尾事件」と呼ばれますが。
ストライキと言うのは確かに労働者の権利であり、主張であると思う。本当に働く環境を維持するためには、ある程度経営側に対する歯止めとして必要なものなんでしょう。当時の国鉄財政問題を棚に上げた国労動労の強硬姿勢はあまり受け入れられなかったらしいが…結局国労を目の敵にした中曽根さんが国鉄解体しちゃうんだけどね。

それでも当時の映像を振り返るにつけ、国労動労の強硬さとそれでも会社へ行かねばならんと頑張る乗客の必死さと、ついに我慢も限界で暴発してしまうあたりのくだりは「なんだかアツいなあ日本人」って感じ。

何かと諦めと無気力に支配される時代ですが、そんな時代だからこそ思う。
問題の是非は置いといて、この映像から伝わって来る「無駄なエネルギッシュさ」。
今の日本に足りないのは、そんなとこなのかも。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする