(秩父そばの天ぷらそば350円@御花畑駅)
秩父地方は旧荒川村を中心にしたそばの里であり、そして小鹿野町・吉田町にかけては「おっきりこみ」と言われる埼玉北部から群馬へかけての煮込みうどん文化が根付くうどんの里でもある。そんな旧荒川と小鹿野・吉田を取り持つ秩父市内を車で走っていると、そば・うどん関係の製麺所が結構目につくのだが、そんな麺モノの街・秩父市の中心街にある御花畑駅改札右側には、立ち食いそばの名店「秩父そば」があります。ちょっとあっさりめながらダシしっかりめの上品なツユに具だくさんの大きなかき揚げ、たっぷりワカメが入って350円と言う極めてコスパの高い立ち食いそばです。
おばちゃん一人が切り盛りする「秩父そば」は屋外のカウンターのみ。まあ名店だと自分で言ってるだけなので世間的評価はどうだか分かりませんが(笑)、電車に乗る前・降りた後、確実に誰かが店ののれんをくぐり意外にも客は引きも切らない。冬の秩父の寒風に、ツユをすすれば染み渡る暖かさ。おばちゃんがコップ酒の空き瓶に入れてくれるお冷やとともに、秩父鉄道の名物と言えるのじゃーなかろーか。ちなみに御花畑の駅前には個人経営の立ち食いそば屋がもう1軒あり、この直営店の「秩父そば」と張り合っている。ネットで見る限りこちらの立ちそばの評価も上々で、何気に御花畑駅前は立ちそば激戦区なのかもしれない。
さて、荒川の河原での撮影を終了し、上長瀞の駅に戻って参りました。今度は浦山口方面に向かいますが、今度の三峰口行きは元都営三田線6000系こと5000系。立派な古レールを使った上長瀞のホーム上屋と絡めて一枚。リバイバルカラーでもてはやされる1000系(旧国鉄101系)に比べるとその立ち位置が実に空気な車両でありますなあ…まあ国鉄101系の存在を懐かしがる人はいても、三田線の6000系を懐かしがるのは高島平団地の住民か大東文化の学生くらいなのかもしれません(笑)。これでもデビュー当時はローレル賞貰ってそれなりの評価を受けたんだぜ。つーか三田線ユーザーって希少価値高いよな。自分も知り合いに一人もいないもん。
都営三田線に乗って、浦山口駅までやって来ました。
浦山口ってのは影森を過ぎ、いよいよ秩父の山塊が車窓に迫る頃合いの場所にある駅です。浦山ダムから流れる浦山川の鉄橋のほとり、集落を見下ろす築堤の上にあります。春は駅の周辺に植えられた桜が咲き誇り、この駅を通過するパレオエクスプレスの姿は秩父鉄道の名シーンの一つでもあります。今日はそんな浦山口の駅を高台から見下ろすお稲荷さんから俯瞰してみましょう。山の中腹に築かれたお稲荷さん、二匹のキツネが駅を見守っておりますが、まあこのお稲荷さんまで来る階段のしんどかった事!雪が積もってて滑るし、階段は急だし、死ぬかと思ったよw
さっき乗って来た都営三田線が返して来ました。
桜の時期ともなれば、この駅の周辺にも撮影者が集まって賑わうのでしょうが、今日は極めて静かなものです。この駅の右側、ちょうど線路が影森に向けての森を抜ける橋のたもとには「不動清水」と言う水場があって、武甲山の石灰岩に濾過された清水がこんこんと湧いております。
冬の陽は西に傾き、ちょうど浦山川橋梁を抜けた場所で東急8090がキラリ。
お稲荷さんと絡めて、こんなイメージの写真を撮ろうと思ってたので概ね意図通りでしょうかね。
陽が落ちると一気に風が冷たくなる秩父の山里。三脚を畳んで帰るとしましょうか。
最後の最後に武州原谷駅に立ち寄ると、夕暮れに二丁パンタをシルエットにしてデキが待機中…
この三ヶ尻行きが出て行った後、影森まで2本の返空便が走るんですが、ホント朝から晩までコンスタントに貨物列車が走ってるんですねえ。とはいえ、セメントの輸送は平成18年に廃止されてしまい、貨物扱い自体も全盛期には比べるべくもない輸送量になってしまったのだと言う。それでも、昨夏に訪問した三岐鉄道同様、鉄道による貨物輸送を私鉄でここまで大規模に展開している例はない訳で、秩父に来れば元気にデキが走り回っている姿を見る事が出来るのであります。
ただ、いつもそこにある風景が突然消えてしまうのもこの趣味の常となれば、この光景がいつまでも続く事を願ってやまないのであります。
しかしマニアとしては太平洋セメントグループに足を向けて寝られませんなw
次の目標は岩手開発鉄道か?