(西のメッカ!稲沢線@清州駅)
東の貨物のメッカが新鶴見だとするならば、西の貨物のメッカはこの稲沢線でしょう。稲沢の操車場から名古屋駅にかけて、東海道本線に並走する形で複線の貨物線が続いています。九州関西方面と首都圏を結ぶ物流の大動脈であり、また中京圏周辺の貨物列車がほぼ稲沢を拠点としてカマの付け替えやら方向転換を行ったりするので、ピーク時はそれこそ2~3分に1本くらいの頻度で貨物列車が走る事もあります。そんな稲沢線はELDLロコファンの聖地…だったのですが、最近になって保安上の理由により実質的な撮り鉄対策がJR東海によってガッツリ行われた結果、沿線は2メートルを超える有刺鉄線付き金網で覆われていて大仁田厚でもなきゃ戦いを挑むような状況ではなくなりました。
と言う訳で、稲沢線の貨物を安全に撮るには清州の駅くらいしかないみたいですね。本当なら16時台が本数もバリエーションも多くて楽しい時間帯だったんだけど、名古屋城の後にグダグダやってたら地合いを逃してしまったのでヨメさんに許しを得て子供と17時から30分ほど。この時間になっちゃうと通勤電車の方が数が多くなってくるので、あんまりカット数は稼げませんでしたですね。
ロクヨン重連、フライアッシュ、矢橋の石灰ホキ、DD重連のどれかは撮りたいなーと思っていましたが、8072レ。塩浜を15時に出て来て関西本線を「いい頃合い」の光線で走る列車です。冬場の赤い夕陽を斜めに浴びて白鳥の信号場を通過するカットは定番ですよね。平日でもあり、タキ14両のフル編成でやって来ました。
関西本線では見せない快速ぶりで、DD51の重連が実入りのタキを牽引して行きます。ここを通るタキ貨物は塩浜から稲沢までDD51が牽引し、稲沢でEF64にカマ替えして南松本へ向かうので、同じ列車が稲沢~名古屋間を往復する形を取る。それだけにここ清州の駅は撮影効率が良く、ここで半日でも写真撮ったらそれこそ何本の貨物列車が撮れるのだろうか。
子供が撮った8072レ。若干被写体ブレはあるけど結構よく撮れてるじゃん。手持ちで小学校低学年がここまで撮れれば上等だわ。自分の構図より手前までカマを引っ張り込んでるからもう少しSSを上げなければいけないところですが、まあそこらへんはオートで撮らせてるからしゃーない。
とりあえずDDを撮影出来たので、ヨメさんの機嫌が悪くなる前に宿へ向かう事にする。名古屋市内で宿を取っても良かったんだけど、ホテルばっかで旅館が少ないのよね。値段の兼ね合いやベッドで寝るのがイヤだった事もあって、今回は稲沢のビジネス旅館を宿泊地に選定しました。JR稲沢駅前は駅舎もキレイで最近になって再開発された感がプンプンですが、そんな駅舎の横でバリバリの昭和感を醸し出しているビルがJR貨物の東海支社です。
DD51がそこら中に転がっている愛知機関区。EF64の原色機が集められた休車群や、交番検査待ちの雑多な貨車が連なったチンドコ編成が放り投げられていたりする。そんな中をコキを牽いたDE10が入換でガシャガシャ動いていて、稲沢の街は鉄道の活気に満ちてますね。遠くからでも機関車の汽笛が聞こえて来るのが鉄道の街という感じで実にいい。
ビジネス旅館なので夕食はなく、家族で歩いて駅前へ食事に出かける。八丁味噌の濃厚なタレにどっぷり浸かった味噌串カツをほおばりながらビールを飲むと、ピョーというDEのホイッスルが聞こえました。