(東も西も塞がれて@西枇杷島駅ホーム)
名古屋の市内観光をする前に、ちょっくら鉄ネタを仕込みに来たのはここ、名鉄名古屋本線は西枇杷島駅。名古屋から僅かの距離の駅がこんなんなんだから割と名鉄って恐れ入るところある。一応見た目の配線は2面4線を形成しているんだけれども、線路に挟まれたホームはなんだか車庫にある乗務員用の仮通路のような貧弱さ。東海道新幹線に乗って大阪方面に向かってる時、名古屋を出て庄内川を渡るとすぐ右に見える駅なので、車窓から「あれは何だ?」と思われた方がいたら鉄道趣味のセンスあると思います(笑)。こんな駅のためにわざわざJRの枇杷島駅前にクルマ停めて歩いて来てるんだから何というモノ好きか。
地理的な位置関係を確認しておくと、西枇杷島駅は名鉄本線で名古屋から3つめの駅。名鉄は庄内川を渡るとすぐに岐阜方面(本線)と犬山方面(犬山線)に分岐するんですが、地図上でもわかる通りこの分岐点は名古屋岐阜犬山それぞれ双方向の行き交いを可能にしたデルタを形成しており、西枇杷島の駅は岐阜側の分岐点のすぐ西に位置しています。実際のところは「名~岐・名~犬」の行き来はあっても「岐~犬」間の列車の行き来はほとんどないようで、「岐~犬」間は線路脇にある留置線への出入線代わりになっているようですがね。
駅東側の踏切から。急行の豊橋行きが通過して行ったのだが、ちょうどよく新幹線N700系とのコラボになりました。地図を見ても分かる通り駅の西側(奥)は東海道本線と東海道新幹線のガードがあって、東側(手前)は県道67号線の側道(県道は一応立体交差)が走っており、その狭いスペースに押し込められたように西枇杷島の駅があります。東西を塞がれたどうにもならないスペースの狭さはいかんともしがたく、この駅自体の拡張や改良などにはなかなか手が付けられていないようで、そこにこの駅の風情とおかしみがあります。
今度は駅西側の踏切から。県道の立体交差の右下にある赤い瓦屋根の古びた建物が駅舎になります。左が名古屋方面行き、右が岐阜方面行きホームになりますが、左ホームのさらに外側に一本側線が出ていて、これが犬山方面に繋がるルートになります。もし「岐~犬」ルートの列車があるとしたら、西枇杷島の駅は通過扱いになってしまいますね。
西側踏切通路から岐阜方面行きホームを。狭い場所の限られたスペースで2面4線を形成するためホームは極端に狭く、まるでミカヅキモのようでもあります。特にその先端部分は飛び込み台もかくや、と思わせるおひとりさまでも触車上等のスペースのなさで、ホームの体を成してはいないようです。子供的にこのホームの形は「ばかうけみたい」と言っていて思わずこっちがバカ受けしてしまったのだが、確かにこの形は栗山米菓感ある(笑)。青のりしょうゆ味が結構好きだぞ。
駅東側に立つ西枇杷島駅舎。券売機小屋を建て増しした感じで新旧が入り混じってますけど、「旧」の部分は漆喰壁の瓦屋根と言うスタイルはいかにも私鉄電車の駅らしく好ましいですね。ホームで電車を待つには狭過ぎて危険なため、通常は構内踏切が降りていてホームには上がれないようになっています。と言う訳で乗客は駅舎内で待たされる事になりますが、電車の到着が近づくと、駅員の方が遮断機を上げてホームに誘導してくれます。
西枇杷島の駅は名古屋から3駅しか離れていないのに日中は上下方向とも30分ヘッドと非常に間隔が長いのがネック。優等が全く止まらないのは仕方がないとしても、名古屋方面はデルタでの犬山線の合流を見越して普通列車の本数を絞っているのか完全にダイヤ上のエアポケットになっている感じ。かたや岐阜方面は日中は津島線方面の電車ばかりなので、一宮や岐阜へ行きたければ須ヶ口で乗り換えになるので使い勝手は良いとはとても言えない。600m西にある二ツ杁駅は準急停車駅で日中毎時4本の停車があるので、名駅まで急ぐ用事ならそっちを使え(9分230円)と言う事なのだろうか。そもそも西枇杷島の駅の北800mにはJRの枇杷島駅があって、そっから名古屋までなら1駅4分190円だからハナっから勝負にはならないのだが。
待ちくたびれた我々家族、駅員さんのお許しがようやく出たのでホームに駆け上がる(笑)。様々な理由がある中で近代化にも取り残された駅ですが、それでも我々家族の他に4~5名程度の近所の方々が電車の時間に合わせて駅に集まっているのを見ると、本数は少ないながらも利用者はそこそこいるようです。